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米国・アルゼンチン首脳会談、200億ドルの通貨スワップへ

記者からアルゼンチンへのメッセージを問われると、トランプ氏は「彼らを愛している。支援を続けるよ」と述べ、ミレイ氏を「偉大な指導者トランプ」と吠えた。
2025年10月14日/米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(左)とアルゼンチンのミレイ大統領(AP通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は14日、米ワシントンDCホワイトハウスで大好きなトランプ(Donald Trump)大統領と再会し、熱い抱擁を交わした。

ミレイ氏はトランプ氏から温かく迎えられ、写真撮影に応じ、共に親指を立ててポーズを取った。

記者からアルゼンチンへのメッセージを問われると、トランプ氏は「彼らを愛している。支援を続けるよ」と述べ、ミレイ氏を「偉大な指導者トランプ」と吠えた。

ベッセント(Scott Bessent)米財務長官は9日、アルゼンチン中央銀行との200億ドルの通貨スワップ枠組みで最終合意したと発表した。

これにより、アルゼンチンペソとアルゼンチンのドル建て債は急騰した。

ベッセント氏は先月末、アルゼンチン中銀との間で200億ドルのスワップラインに関する交渉を開始すると発表していた。

スワップラインは中央銀行同士が自国通貨と外国通貨を交換(スワップ)する取り決めであり、主に国際金融市場の安定を目的として設けられる。

具体的には、一方の中央銀行が相手国の中央銀行から外貨を一定期間借り入れ、自国通貨を担保として差し出す形をとる。

この仕組みによって、危機時でも市場に外貨流動性を供給できるため、金融不安や為替の急激な変動を抑える効果がある。

代表例として、米連邦準備制度理事会(FRB)が主要国の中央銀行と結んでいるドルのスワップラインがある。

これにより、ドル需要が逼迫した際でも各国の銀行がドル資金を調達しやすくなる。スワップラインは平時には使用されないが、有事の際に備えた「安全弁」としての役割を果たす。また、スワップ協定の有無はその国の信用力を反映することもあり、経済的・外交的にも大きな意味を持つ。

専門家はミレイ氏が今回の首脳会談で2つの明確な目標を持っていると指摘している。

一つは、アルゼンチン製品に対する相互関税の免除または引き下げを交渉すること。もう一つは、今月後半の中間選挙に先立って、200億ドルのスワップラインをどのように実施するかを確認することだ。

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