トランプ関税、ブラジル右派とボルソナロ氏にも打撃

トランプ氏は先週、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、ブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。
2025年7月10日/ブラジル、最大都市サンパウロ、ボルソナロ前大統領を応援する集会(ロイター通信)

ブラジルの右派であるボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の支持者や関係者がトランプ米政権による関税に懸念を示している。

トランプ氏は先週、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、ブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。

右派はトランプ氏の支持に謝意を示す一方、この関税が右派にも深刻な影響を当たる可能性が高いと懸念している。

ロイター通信は15日、ボルソナロ氏に近い高官3人の話しとして、「益より害が多いのではないかと懸念している」と報じた。

ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。

ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。

検察庁は2022大統領選の結果を覆すためにクーデターを企てたとしてボルソナロ氏や元海軍司令官など、計34人を起訴している。

ボルソナロ氏はこの容疑を根拠のないものと主張。2026年の大統領選挙に出馬すると主張している。

ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領に裁判を止める権限はない。

ルラ氏は先週、トランプ氏を「皇帝」と非難し、貿易交渉が進展しない場合、報復措置を取ると示唆した。

ボルソナロ氏の支持者たちはコーヒーやオレンジの生産者から畜産業、航空産業まで、ブラジルの多様な産業に打撃を与える可能性のある50%関税が国の結束を高め、

ルラ氏の支持率を押し上げるのではないかと懸念している。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします