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トランプ大統領、コロンビアへの軍事作戦を示唆、緊張高まる

この発言は、米軍が3日に実施したベネズエラでの軍事作戦に続くものだ。
トランプ米大統領(左)とコロンビアのペトロ大統領(Getty Images)

トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、エアフォースワン内で記者団の取材に応じ、コロンビアに対する軍事作戦の可能性を示唆した。これまでになく強硬な対外発言で、米国と中南米諸国の関係に重大な緊張をもたらしている。

トランプ氏はコロンビアについて「非常に病んでいる国」で「米国にコカインを売るのが好きな“病んだ男”が支配している」と述べ、同国のペトロ(Gustavo Petro)大統領を暗に批判した。ペトロ氏は左派政権を率いる政治家として国内外で論争の的になっているが、米国大統領が公式に「軍事行動」を口にしたのは異例である。

この発言は、米軍が3日に実施したベネズエラでの軍事作戦に続くものだ。米軍はベネズエラ国内で大規模な攻撃を行い、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその妻を拘束し、ニューヨーク州に連行した。この作戦は麻薬密輸を理由とするものだとトランプ政権は説明しているが、その突然性と一国の国家元首の拘束という前例のない行動は世界中で波紋を呼んでいる。

ベネズエラ作戦に対しては中南米諸国を中心に批判が出ており、国際的な緊張が高まっている。特にブラジルやメキシコ、コロンビアなどは米国の行動を主権侵害と非難し、南米地域の安定を損なうとの懸念が表明されている。国連安全保障理事会は緊急会合の開催を予定しており、各国は米国の動きについて議論を深める見込みだ。

トランプ氏の今回の発言は単なる外交的圧力ではなく、実際の軍事行動を視野に入れたものであり、米国の政策が従来の枠を超えた強硬路線に傾いているとの指摘が多い。麻薬撲滅や治安維持を名目にする一方で、国際法や他国の主権尊重という原則との整合性を欠くとの批判も根強い。米国内でも、与野党から米国の外交戦略や軍事介入の正当性について疑問の声が出ている。

専門家は、今回のような発言が米国とラテンアメリカ諸国の関係に長期的な悪影響を及ぼす可能性を指摘する。過去にも米国は中南米地域で軍事介入を行った歴史があり、地域内での不信感は根深い。トランプ政権が今後どのような具体策を進めるかは不透明であり、外交的な摩擦や地域の安全保障環境に新たなリスクを生む可能性がある。

米国がコロンビアに対する軍事作戦を実施するかは明らかではないが、トランプ氏の発言は米国の対外政策が従来の抑制的姿勢から大きく転換しつつあることを示している。地域の安定をめぐる国際社会の懸念は高まる一方であり、今後の動きが注目される。

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