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トランプ氏、ベネズエラ上空および周辺空域の閉鎖を宣言

トランプ氏は投稿で「すべての航空会社、パイロット、麻薬密売人、人身売買業者に告ぐ」とし、同空域への飛行を控えるよう警告した。
トランプ米大統領とベネズエラのマドゥロ大統領(AP通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は29日、自身のソーシャルメディアを通じて、ベネズエラの上空および周辺空域を「全面的に閉鎖されたものと見なすべきだ」と宣言した。

トランプ氏は投稿で「すべての航空会社、パイロット、麻薬密売人、人身売買業者に告ぐ」とし、同空域への飛行を控えるよう警告した。

トランプ氏がなぜこのような空域閉鎖を呼びかけるのか、具体的な根拠や執行体制については説明していない。今回の突然の宣言は、米外交・軍事関係者の間にも驚きをもって受け止められており、現時点で米政府当局から公式な説明はない。

この発言は、米国内と地域における緊張の高まりを反映したものとみられる。背景には、米政府のベネズエラに対する一連の圧力強化がある。

米国は麻薬密輸の根絶を名目に、カリブ海や周辺海域で“麻薬密輸船”とみなした船舶への海上攻撃を繰り返しており、さらには空母や航空戦力を含む軍事資産をベネズエラ沖に展開している。

また11月21日には米連邦航空局(FAA)がベネズエラおよびその周辺での軍事活動活発化と治安悪化を理由に、民間航空機に対して飛行時の注意を呼びかける警告を出していた。FAAは、いかなる高度でも危険が及ぶ可能性があるとしており、離着陸や上空通過を問わず慎重な対応を求めていた。

このような航空情報の発出を受けて、一部の国際航空会社はすでにベネズエラ向け便の運休またはルート変更を決断していた。ベネズエラ政府は航空各社に対し、運航権の剥奪などの措置を取っている。

今回のトランプ発言およびそれに伴う空域閉鎖の宣言は、国際法上および民間航空の慣例からは異例であり、その合法性や実効性、さらには地域の安全保障や国際関係に与える影響について、多くの疑問が指摘されている。特に航空の自由や領空の主権、国際民間航空の正常な運行という観点から、国際社会の関心が高まっている。

一方で、ベネズエラ側はコメントを出しておらず、政府報道部からの公式見解も伝わっていない。米政府関係者も、ペンタゴンやホワイトハウスからこの発言の背景や今後の対応について明確な声明は出していない。

米海軍は9月、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに19隻の麻薬密輸船を爆撃した。

一連の攻撃による死者は80人にのぼっている。

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