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トランプ氏、ベネズエラの「商業空域」再開を指示

トランプ政権は今週、連邦議会に対して、長らく閉鎖されていたベネズエラの大使館を段階的に再開する措置を講じていると通知していた。
ベネズエラ沖を航行するタンカー(Getty Images)

トランプ(Donald Trump)大統領は29日、ベネズエラの商業空域を再開するよう政府高官に指示したと表明した。トランプ氏はホワイトハウスの閣議で、運輸長官や米軍の指導部に対し、同日中に商業便を飛行可能な状態にするよう命じ、「米国市民はまもなくベネズエラに行くことができ、安全に過ごせるようになる」と強調した。

トランプ政権は今週、連邦議会に対して、長らく閉鎖されていたベネズエラの大使館を段階的に再開する措置を講じていると通知していた。国務省は議会委員会への書簡で、「同省は選択的な外交機能を果たすために、大使館に臨時スタッフを派遣している」と説明している。これはマドゥロ前政権のもとで途絶した米ベネズエラ間の外交関係を回復しようとする動きの一部である。

米国とベネズエラの外交関係は2019年に断絶し、その後、米国務省はベネズエラへの渡航に関して最高レベルの「渡航禁止」勧告を出していた。勧告では、米国市民が不当な拘束、拷問、誘拐などの高リスクに直面する可能性があるとし、依然として同勧告は維持されている。

トランプ氏が空域の再開を指示したことは、米国が対ベネズエラ政策の転換を図っていることを示唆している。トランプ政権は昨年11月、ベネズエラ上空の空域を「全面的に閉鎖すべきだ」と宣言し、軍事的圧力を強める姿勢を示していた。これにより一部の国際航空会社がベネズエラ便を運休する事態になっていたが、今回の措置はそうした制限の解除に向けた一歩となる可能性がある。

米連邦航空局(FAA)はこれまで、同国および周辺海域で軍事活動が活発化しているとして、ベネズエラ上空を通過する航空機に注意を呼びかけていた。こうした警戒は国際線の運航にも影響を与え、多くの航空会社がベネズエラへのフライトを中止していたが、トランプ政権は商業空域の再開を通じてこうした状況を改善したい考えだ。

一方、ベネズエラ暫定政権からの公式な反応はない。米国とベネズエラの間では長年にわたり緊張関係が続き、特に米国がマドゥロ前政権に対して強硬な姿勢を取ってきたことから、今回の動きが両国間の関係改善につながるかどうかは不透明だ。

トランプ政権の発表は、米国が対ベネズエラ政策の大幅な見直しを進めていることを象徴するものとして受け止められている。商業空域の再開や大使館機能の段階的再開は、米国市民の旅行制限の緩和だけでなく、経済面や外交面での関係正常化の兆しとも解釈される。ただし、国務省が依然として強い渡航警告を維持している点から、全面的な正常化にはなお課題が残る。

米国は今後もベネズエラ情勢の変化を注視しつつ、安全保障や人権状況などを踏まえて対応を進める方針とみられる。今回の空域再開措置が実際にどのような効果をもたらすかは、今後の両国間の具体的な協議や現地情勢の安定度にかかっている。

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