米国務長官「トランプ政権がベネズエラの石油資産を管理」
政府は現在、米国の制裁対象となっているベネズエラ産原油の売却を認め、その収益を同国の基本的な公共サービス支出に充てる方針だとしている。
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米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官は28日、上院外交委員会でトランプ政権がベネズエラの石油収益をどのように管理・活用するかについて詳細を説明した。ルビオ氏によると、政府は現在、米国の制裁対象となっているベネズエラ産原油の売却を認め、その収益を同国の基本的な公共サービス支出に充てる方針だとしている。これにより、長年の経済混乱と社会危機に苦しむベネズエラの安定化を図る考えだという。
ルビオ氏は公聴会で、「収益は一旦特別口座に入れられ、財務省が管理・監督する仕組みになる」と説明した。この口座はカタールで設立され、米国の制裁が機能することで不正な資金流出を防ぐ役割を果たしているという。口座そのものはベネズエラの資産であり、米国は支出の管理・監査権限を持つ一方で、直接的に資金を所有するわけではないとルビオ氏は強調した。収益は警察や医療、インフラ整備などに使われる見込みで、数億ドルから最大30億ドル規模になる可能性があるという。
トランプ政権がこの政策を打ち出した背景には、今年初めに実施した米軍のマドゥロ作戦がある。この作戦後、米国はベネズエラの石油資産とその売却を通じて影響力の拡大を進め、暫定政権とも協調関係を築いてきた。ルビオ氏は米国が石油産業への直接的な投資助成を行う予定はないものの、この臨時措置を通じてベネズエラ経済の崩壊を防ぎ、政治的移行を支える長期的な基盤を整えたいと述べた。
共和党・民主党両党の議員からは石油収益の管理と透明性に関する懸念が相次いだ。特に民主党はベネズエラの原油を「武力で奪い、その売却を管理し、資金の使途を決める」というやり方に懸念を示し、特定の企業や勢力に有利に働くのではないかと指摘した。また、収益管理が公正かつ開かれた形で実施される保証が必要だと訴えた。
一方、ベネズエラ暫定政権側は石油収益の一部を医療サービスやインフラ整備に振り向ける法改正を検討している。これには病院設備の改善や電力網の復旧など、社会的に緊急性の高い分野への投資が含まれる。ルビオ氏はこれらの措置が実行されることで、ベネズエラ国民の生活環境が改善し、民主的な政治移行への道筋が整うとの見通しを示した。
ルビオ氏の説明は、米国がベネズエラの豊富な石油資源を活用しながら、政治的・経済的安定を促進するというトランプ政権の戦略の核心を示している。しかし、議会内外にはこの政策の法的正当性や長期的な影響、透明性の確保について多くの疑問が残されており、今後も政治的議論が続く見込みだ。
