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▽マチャド氏は大統領選後の抗議デモが激化した後、逮捕される恐れがあるとして、身を隠していたが、1月10日の大統領就任式に先立ち、数カ月ぶりに公の場に姿を現した。
2025年1月9日/ベネズエラ、首都カラカス、野党指導者のマチャド氏と支持者たち(AP通信)

ベネズエラの首都カラカスで9日、抗議集会に出席した野党指導者のマチャド(María Corina Machado)氏が逮捕され、どこかに連れ去られた。

AP通信は関係者の話しとして、「治安部隊がマチャド氏の車列に向けて発砲し、車から引きずり出してどこかに連行した」と伝えている。

マチャド氏は昨年7月の大統領選への出馬を目指したものの、選挙当局の妨害を受け、出馬を断念。スペインへの亡命を余儀なくされたゴンザレス(Edmundo González)氏が代わりに出馬した。

マチャド氏は大統領選後の抗議デモが激化した後、逮捕される恐れがあるとして、身を隠していたが、1月10日の大統領就任式に先立ち、数カ月ぶりに公の場に姿を現した。

マチャド氏の報道官はSNSに声明を投稿。「治安部隊がマチャド氏を乗せた車両に向けて発砲し、無理やり車から引きずり出した」と書いた。

X(旧ツイッター)で共有された動画には警察官に取り囲まれたマチャド氏が支持者に向かって抗議デモを続けるよう呼びかける様子が映っていた。

政府と警察はコメントを出していない。

ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、チリ、パナマ、ドミニカ、パラグアイなど、複数の中南米諸国がマチャド氏の逮捕を非難し、即時釈放を呼びかけた。パラグアイは今週、ベネズエラとの国交を断絶した。

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領はマチャド氏を速やかに解放するよう求め、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に引退を勧告した。

マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は昨年7月の大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

マドゥロ氏は1月10日の就任式で3期目をスタートさせる予定だ。

ゴンザレス氏は現在、中南米諸国を歴訪中。国賓としてアルゼンチンを訪問し、バイデン(Joe Biden)米大統領とも会談した。

その後、ウルグアイ、ドミニカ、パナマで国家元首や外相らと会談。10日の就任式に出席するとしている。

ゴンザレス氏は逮捕状が出ている中でどのように帰国するのか、また到着後にどうやってマドゥロ氏から政権を引き継ぐつもりなのかは明らかにしていない。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

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