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ベネズエラ大統領拘束、米軍の特殊部隊とCIAが主導

関係者の話によると、「Absolute Resolve(アブソリュート・リゾルブ作戦)」は数カ月にわたる計画と訓練の積み重ねによって実現したという。
2026年1月3日に米当局が公開した写真、逮捕されたベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

1月3日未明、米国がベネズエラの独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその妻を拘束した一連の作戦は、綿密な準備と複雑な軍事・諜報活動によって遂行されたものであることが明らかになった。

トランプ(Donald Trump)大統領は自身のSNSでこの作戦完遂を発表したが、関係者の話によると、作戦「Absolute Resolve(アブソリュート・リゾルブ作戦)」は数カ月にわたる計画と訓練の積み重ねによって実現したという。

作戦には米陸軍のエリート部隊デルタフォースをはじめとする特殊部隊が投入され、作戦成功の鍵となったのは徹底した準備と情報収集だった。ロイター通信は関係筋の話しとして、「米軍は標的となるマドゥロの住居の正確な再現モデルを構築し、兵士たちは繰り返し突入手順を訓練した。また、中央情報局(CIA)は2025年8月から少数のチームを現地に派遣し、マドゥロの日常行動パターンを把握するなど情報提供を行った」と伝えている。さらにCIAは、マドゥロ氏の側近に近い情報提供者も活用して正確な位置特定を支援したとされる。

作戦決行前には広範な軍事力の増強が行われた。米国防総省はカリブ海地域に空母打撃群や11隻の軍艦を配備し、F35戦闘機や輸送機、電子戦機などを含む多数の航空機を投入、約1万5000人の部隊が集結したとされる。これらの軍事力はこれまで麻薬対策を名目に展開されていたが、作戦本番では首都カラカス周辺の防空システムを狙った空爆も実施された。トランプ氏は空爆に参加した航空機の数を「非常に大規模」と説明している。

作戦当日、特殊部隊はヘリコプターでカラカスに進入したとみられ、現地の住民が撮影した低空飛行するヘリの映像がSNS上で拡散した。部隊は住居に侵入し、堅牢に守られたとされる鉄製の扉などを切断、大統領夫妻を拘束した。マドゥロ氏はセーフルームに逃れようとしたが、部隊が素早く行動したためかなわなかったとトランプ氏は説明している。米軍側は数名の負傷者を出したものの死亡者はなかったという。

作戦は計画通り進み、夫妻はカリブ海に展開していた米海軍強襲揚陸艦「USSアイオワ・ジマ」に移送された。その後、夫妻は米国本土へ移送され、ニューヨーク州で麻薬関連の起訴に直面する見通しであると報じられている。トランプ氏は作戦を「成功」と称賛し、マドゥロ拘束に関わった関係者に謝意を示した。

一方で、この軍事作戦および拘束の合法性や国際法上の正当性を巡る議論は国内外で続いており、米議会関係者からは議会承認の有無について疑問の声も上がっている。また、現地や国際社会からは批判や懸念の声も出ており、今回の作戦が今後の地域情勢や米ベネズエラ関係に与える影響は不透明なままだ。

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