◎各紙の世論調査によると、ボルソナロ大統領は左派のダ・シルバ元大統領に大きく引き離されている。
2022年3月31日/ブラジル、首都ブラジリアの大統領府、ボルソナロ大統領(中央)と閣僚たち(Eraldo Peres/AP通信)

ボルソナロ政権の一部の閣僚は31日、10月の総選挙に先立ち、一斉に退任した。閣僚らはボルソナロ大統領と共に選挙活動を行う予定である。

ブラジルの選挙法によると、大臣は議会選挙までに退任しなければならない。後任は副大臣やその他の高官が務める。

フレイタス国土交通大臣は31日にブラジリアで開催されたイベントで、「私は3代続けて大臣を担当したが、これほど大統領と結びつきが強く、忠実で、献身的な閣僚チームは見たことがない」と語った。

ブラガ・ネット国防省は同日、ボルソナロ大統領の特別顧問に就任した。地元メディアによると、同氏はボルソナロ大統領のランニングメイト(次期副大統領)の最有力候補だという。

この再編はボルソナロ大統領の政敵である左派のダ・シルバ元大統領との一騎打ちに向けた最初の一歩である。

議会選と大統領選の選挙運動は公式には8月に開始されるが、両候補はすでに各地で数千人規模の大規模な集会を何度も開催している。ブラジルの選挙法は選挙戦開始まで有権者に投票を求めることを禁じているものの、選挙集会のようなイベントは禁じていない。

退任した閣僚の多くは、ボルソナロ大統領が昨年11月に入党した中道右派の自由党に所属している。

サンパウロのインスパー大学の政治学教授であるカルロス・メロ氏はAP通信の取材に対し、「彼らは今後数カ月、全国各地で自分の業績、政権の業績、ボルソナロ大統領の業績を宣伝するだろう」と述べた。

またメロ教授は、「元閣僚らは全国の27州、5,000以上の市町村をくまなく回るだろう」と予想した。

各紙の世論調査によると、ボルソナロ大統領はダ・シルバ元大統領に大きく引き離されている。世論調査会社データフォルハは、ダ・シルバ前大統領が約20ポイントリードしていると報じた。

ボルソナロ大統領の再選は、1,200万人超の失業者、10%を超えるインフレ率、燃料価格の高騰、コロナウイルス問題などをうまく乗り切れるかどうかにかかっている。

ダ・シルバ元大統領は31日、ブラジル共産党の創立100周年を記念するイベントに出席した。同氏は演説の中で、「今年、ボルソナロを罷免できると信じている」と聴衆に語った。

ボルソナロ大統領は1月から3月末までに20回以上集会を開催している。

27日にはブラジリアで数千人規模の集会を開催した。ボルソナロ大統領のオブザーバーはこれを非公式の選挙戦開始と見なしている。

チームボルソナロはこの集会で「ボルソナロ、国民のキャプテン」というスローガンを発表し、大統領の半生をまとめたアーカイブ映像を上映した。

ボルソナロ大統領は31日のイベントで1964年のクーデターと、20年にわたる軍事独裁政権の遺産を祝った。そして、自政権の仕事を自画自賛し、アマゾン開発を推し進め、コロナを亡き者にし、プラス成長を達成すると誓った。

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