SHARE:

ベネズエラ野党指導者マチャド氏の支持者が世界80都市でデモ行進、ノーベル平和賞受賞

支持者らはマドリード、ユトレヒト、ブエノスアイレス、リマ、ボゴタなどを含む都市で行進し、ベネズエラの民主化と人権状況改善を訴えた。
2025年12月6日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ベネズエラの野党指導者マチャド氏を支持する集会(AP通信)

12月6日、南米ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏のノーベル平和賞受賞を受けて、彼女を支持する人々が世界各地で大規模なデモを展開した。

支持者らはマドリード、ユトレヒト、ブエノスアイレス、リマ、ボゴタなどを含む都市で行進し、ベネズエラの民主化と人権状況改善を訴えた。主催団体は「80を超える都市」でのデモを予告していた。

ペルー・リマでは支持者たちはマチャド氏の肖像を手に「自由なベネズエラを」と叫びながら行進し、ベネズエラ国旗の色である黄・青・赤を身にまとっていた。通りには「ノーベル賞はベネズエラのものだ」というポスターも掲げられた。リマに移住していたベネズエラ出身の女性はAP通信の取材に対し、「この受賞は抑圧に苦しむすべてのベネズエラ人、獄中の政治囚、犠牲者たちの希望である」と語った。

コロンビア・ボゴタでは白いTシャツを着た移民や難民らが風船やろうそくを手にし、平和と希望を祈る集会を開いた。一方、アルゼンチン・ブエノスアイレスでは大学法学部の階段前に500人ほどが集まり、スマートフォンの明かりで夜の行進を即席のトーチ行進に変えて抗議の声を上げた。参加者の一人は、「われわれは世界中のベネズエラ人とともに笑っている。犠牲になった抵抗者すべてのために、この瞬間を祝っている」と述べた。

今回の一連のデモはノーベル平和賞が正式に授与される翌週の式典を前に計画されたものだ。マチャド氏側はこの賞を通じてベネズエラにおける民主主義への願いと、抑圧からの解放を国際社会に訴える機会にしたいとしている。

背景として、マチャド氏は2024年の大統領選挙で野党の予備選を勝ち抜いたが、政権側により立候補を阻まれた経緯がある。以来、彼女は公の場から姿を消し、身を隠して活動を続けてきた。そのため、今回のノーベル賞と世界的な支持デモは、多くのベネズエラ国民や国外のベネズエラ人にとって、民主主義と人権回復への希望の象徴と受け止められている。

支持者たちはただマチャド氏本人を称えるだけでなく、「ベネズエラの未来」「自由と公正な選挙」「政治犯の釈放」「基本的人権の保障」といった広範な問題に焦点を当て、声明やプラカードを通じて訴えた。リマ在住の支持者は、「受賞は我々全員のものだ。国境を越えて団結し、声を上げ続ける」と語った。

この動きが国内・国際情勢に与える影響には、慎重ながらも注目が集まっている。ベネズエラのマドゥロ政権は依然として強硬な姿勢を崩さず、国外からの圧力や国際的な批判に対して敏感に反応してきた。また、最近のトランプ米政権によるカリブ海地域での軍事的動きなども、こうした動きと相まって緊張を増幅させる可能性があると指摘されている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします