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ベネズエラ野党指導者マチャド氏の支持者が世界各地でデモ行進、ノーベル平和賞受賞

デモは欧州やラテンアメリカなど、80以上の都市で計画されており、スペイン・マドリード、オランダ・ユトレヒトなどで既に行進が確認されている。
ベネズエラ、首都カラカス、大統領選に立候補したゴンザレス氏(右)と野党党首のマチャド元議員(AP通信)

12月6日、ノーベル平和賞を受賞した南米ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏を支持するデモ行進が世界各地で行われている。

デモは欧州やラテンアメリカなど、80以上の都市で計画されており、スペイン・マドリード、オランダ・ユトレヒトなどで既に行進が確認されている。デモ隊はマチャド氏の平和賞受賞を祝いながら、ベネズエラの民主主義への願いと支持を表明した。

マチャド氏は10月10日に同賞を受賞。その理由として「ベネズエラの民主的権利を守るためのたゆまぬ努力」と「独裁体制から公正で平和的な移行を目指す闘い」が評価された。

マチャド氏は2024大統領選挙に向けた野党の予備選で勝利を収め、当選を目指していたが、マドゥロ政権によって立候補が認められず、事実上排除された。その後も民主化運動を支持する人々の象徴として活動してきた。

今回のデモはマチャド氏の受賞によって国際的な注目が集まる中、ベネズエラで続く政治危機および権威主義から民主主義への変革を求める運動を再活性化させようという意図がある。支持者たちは一様に「ベネズエラ国民の尊厳と自由」を訴え、国際的な連帯の重要性を強調しているようだ。

一方で、ベネズエラでは長年にわたり選挙の不正疑惑、人権抑圧、反対派への弾圧が報告されてきた。マチャド氏の受賞はこうした現状に対する国際社会からの評価であると同時に、彼女が代表する「民主主義の火」を絶やさずに守ろうという多くのベネズエラ市民や移民コミュニティの決意の表れでもある。

参加者の一人は、「今こそベネズエラ人の忍耐と組織力、信念が試される時だ」とし、苦難の年月を耐え抜いてきた人々への連帯と、これからの変革への希望を語っている。マチャド氏自身もビデオメッセージで「私たちの闘いとベネズエラ国民の尊厳が国際的に認められた。団結と決意を新たにしよう」と呼びかけた。

このデモと受賞を通じて、ベネズエラ国内だけでなく、世界のベネズエラ人コミュニティ、民主主義を支持する国際市民社会にも大きな影響を与える可能性がある。今後、マチャド氏とその支持者たちが、国外も含めた人々との連携を強めることで、ベネズエラの政治構造に変化をもたらす起点となるか、注目が集まっている。

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