ベネズエラ与党の支持基盤に揺らぎ、弱体化も
PSUVは2007年に故チャベス(Hugo Chávez)元大統領の政権基盤を統合して設立され、チャベス氏の死後はマドゥロが後を継ぎ党の中心的な役割を果たしてきた。
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ベネズエラでは与党・統一社会党(PSUV)の支持基盤が揺らぎ、党の支配力が弱体化しているとの報告が出ている。ロイター通信が複数の党関係者や地域リーダーに取材したところ、米軍によるマドゥロ前大統領拘束後、党内の不信感と離反が広がり、党の影響力を支えてきた組織的な支援制度にもほころびが見え始めているという。
西部の主要都市マラカイボでは、地域支部のメンバーが党支持を確認するため有権者を訪ねたところ、約半数がPSUVを支持していないと答えたとされる。支部関係者はロイターの取材に対し、「反応は非常に悪い。内部に分裂がある」述べた。
取材に応じた13人の党員や地域指導者は、いずれも深刻な不安感を示し、多くが経済的な将来に懸念を抱いていると語った。PSUVはかつて、食料配給や現金配布といった恩恵を通じて党への忠誠を確保するシステムを築いてきたが、複数の情報筋によると、これらの支援はマドゥロ拘束後に停滞または停止しているという。
特に党内では、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領への不信が広がっているとの指摘がある。取材対象の6人が党支持層の間でロドリゲス氏への疑念が広がっていると述べ、8人は地域支部でのイベント参加や支持者数の減少を確認したと語った。一部では、集会や行進への参加者が最大70%減少したとの推定も出ているという。
こうした支持離れの背景には、政権移管後の不透明な政治状況と経済の悪化があるとみられる。ベネズエラは長年にわたる経済危機に苦しみ、インフレ率は2025年に400%を超えたとアナリストが指摘するなど、深刻な状態が続いている。このため、党からの手当や食料配給の停止は多くの国民にとって大きな打撃となり、党への忠誠心が弱まっている。
党内では離反者を見つけ出すため、支部リーダーが信奉者に対し仲間の忠誠心を密告するよう促す動きもあるとされる。これはベネズエラにおける政治的不満の表れであり、党指導部の内部統制が揺らいでいることを示す兆候とみられている。
PSUVは2007年に故チャベス(Hugo Chávez)元大統領の政権基盤を統合して設立され、チャベス氏の死後はマドゥロが後を継ぎ党の中心的な役割を果たしてきた。党は国会や州知事ポストの大半を掌握し続けているものの、ロドリゲス暫定政権下での支持低迷は、長年の支配構造が揺らいでいることを浮き彫りにしている。
一方で、ロドリゲス氏は団結と経済発展を訴え続け、国の安定を維持する姿勢を示している。しかし、これまでの政策が広範な経済改善につながっていない現状では、PSUVが伝統的に依存してきた恩恵提供を再開しなければ、党の将来にも不透明感が残る可能性がある。
