ロシア、アルゼンチン大統領官邸「盗聴」疑惑を否定
ミレイ氏の報道官は2日、改めてこの問題に言及。ロシア工作員が野党と結託して盗聴を行い、ミレイ政権打倒を目的とする「偽情報キャンペーン」を展開していると主張した。
と妹のカリーナ・ミレイ首席補佐官(ロイター通信)-1.jpg)
在アルゼンチン・ロシア大使館は2日、ロシアの工作員がアルゼンチン大統領府の盗聴に関与したという疑惑を否定した。
アルゼンチンの連邦裁判所は前日、大統領官邸内で録音されたとみられる音声記録のメディア公開を差し止めた。
ミレイ政権はこれを選挙運動の最中に国家を不安定化させる違法な諜報活動と糾弾。連邦裁判所に告訴していた。
地元メディアは先月、ミレイ政権の障害者支援機関を率いていたスパニョーロ(Diego Spagnuolo)氏とみられる人物が機関内の賄賂のやり取りについて議論する音声データを公開した。このデータがいつ、どこで録音されたかは分かっていない。
スパニョーロ氏とみられる人物はミレイ(Javier Milei)大統領の妹であるカリーナ(Karina Milei)首席補佐官が賄賂を受け取っていると示唆し、「この件で大統領と話し合ったが、何も解決しなかった」と述べている。
政府はこの盗聴に野党が関与したと指摘する一方、ロシアの関与にも言及し、アルゼンチン在住のロシア人らが「ロシアの地政学的利益のために工作を行った」と主張した。
ミレイ氏の報道官は2日、改めてこの問題に言及。ロシア工作員が野党と結託して盗聴を行い、ミレイ政権打倒を目的とする「偽情報キャンペーン」を展開していると主張した。
これに対し、ロシア大使館は関与を否定。自国の情報機関が大統領官邸内の電話を盗聴したという「憶測」を退けた。「これらの主張を裏付ける証拠は何も提示されていません...」
裁判所が差し止めを命じた音声記録にはカリーナ氏の私的な会話が含まれていた。
地元メディアによると、この音声記録は複数のストリーミングプラットフォームですでに公開されているという。
盗聴された音声記録を裁判などの証拠として使用できるかどうかは国や地域の法律によって異なるが、アルゼンチンの刑法はそのような音声記録について、「合法的に収集された証拠でない限り、証拠として認められない」としている。
アルゼンチンで最も人口の多いブエノスアイレス州では9月7日に州議会選挙が、10月には全国で連邦議会の中間選挙も行われる。