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ボリビア新大統領が宣誓、20年に渡る左派の一党支配に終止符

パス氏は近隣諸国の国家元首や議会議員が見守る中、宣誓し、同国史上最悪の経済危機から脱却すると国民に約束した。
2025年11月8日/ボリビア、首都ラパス、演説するパス新大統領(AP通信)

南米ボリビアで8日、大統領就任式が行われ、中道右派のパス(Rodrigo Paz、58歳)新大統領が宣誓した。

これにより、20年に渡る左派の一党支配に終止符が打たれた。

パス氏は近隣諸国の国家元首や議会議員が見守る中、宣誓し、同国史上最悪の経済危機から脱却すると国民に約束した。

2023年以降、ボリビアは外貨準備の不足、米ドル不足に苦しめられ、国民は自身の貯蓄にアクセスできず、輸入も阻害されている。

過去数か月の消費者物価指数(CPI)は1991年以来の水準に達し、燃料不足が国を麻痺させる中、ドライバーたちは給油のために「数日間も列に並ぶ」ことを余儀なくされている。

パス氏は先月の決選投票で右派のキロガ(Jorge "Tuto" Quiroga)元大統領を破り、初当選を果たした。

パス氏とキロガ氏は2006年にボリビア初の先住民族大統領となったエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領の与党・社会主義運動(MAS)による財政赤字を招くポピュリズム政策との決別を誓い、支持を集めた。

MASの候補は8月の第1回投票で大敗した。

モラレス氏は在任中、天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモ取り締まりで34人が死亡した。

憲法裁は昨年11月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定した。

モラレス氏は辞任後、国外に逃亡。2020年に帰国した。

検察は24年12月、モラレス氏の逮捕状を請求。裁判所は今年1月、出廷を拒否したとして、モラレス氏の逮捕状を発行した。

2016年に15歳少女との間に子供をもうけたと告発されているモラレス氏は逮捕状を無視して中部コチャバンバ県の農村部に潜伏中。数千人の支持者が警備しているため、警察も近づくことができずにいる。

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