ブラジル・ギャング掃討戦、身元確認進む、121人死亡、81人逮捕
一連の銃撃戦により、警察官4人を含む121人が死亡、81人が逮捕された。
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ブラジル・リオデジャネイロの警察当局は10月31日、ギャング取り締まりにより死亡した者の身元確認を進めていると明らかにした。
この摘発はリオ市内のスラム街で28日に行われ、警察官と軍兵士約2500人が参加。ブラジル最大の犯罪組織であるPCC(首都第一コマンド)とCV(赤コマンド)の拠点を摘発した。
一連の銃撃戦により、警察官4人を含む121人が死亡、81人が逮捕された。
リオ州警察の局長は記者会見で、「31日朝までに99人の身元を確認した」と説明。うち42人には逮捕状が発行され、78人には前科があったとのこと。
リオ州知事はこの摘発を称賛し、亡くなった警察官4人に哀悼の意を表した。
また知事はギャングを「テロリスト」と呼び、「犠牲者は亡くなった警察官のみである」と主張した。
PCCは最大都市サンパウロの刑務所で1993年に設立され、麻薬密売、銀行強盗、窃盗などで利益を上げ、ブラジル最大の犯罪組織になった。構成員は2万人以上と推定され、うち6000人が刑務所に収容されているとみられる。
米政府はPCCとCVを国際テロリストに指定するようブラジル政府に求めている。
一方、国連はブラジル政府に対し、今回の摘発について、独立した調査を行うよう要請している。
リオ市内では2日連続でこの取り締まりに抗議するデモが行われ、ギャングの家族や恋人など、数百人が政府と警察を非難した。
参加者たちは「私たちを殺すな」「ギャングも人間だ」などのスローガンを叫び、市内を行進した。
複数の地元メディアが10月31日に公表した世論調査によると、回答者の6~7割が今回の取り締まりを支持。リオ警察を支持すると回答した人は7割近くに達したという。
