◎アルゼンチンでゼネストが行われたのは約5年振り。
チェーンソーパフォーマンスを披露するアルゼンチンのミレイ氏(ロイター通信)

アルゼンチンの労働組合が1日限りのゼネストを開始し、ミレイ(Javier Milei)大統領の緊縮財政に抵抗した。地元メディアが24日に報じた。

ゼネストを主導したのは首都ブエノスアイレスに本拠を置く最大労組CGT。他の労組も参加し、全国各地で集会を開催した。

地元メディアによると、ミレイ氏の政策に反対する野党議員も集会に出席したという。

経済学者であり先月就任したばかりのミレイ氏は歴史的なインフレに直面する同国の経済を立て直すと公約に掲げ、公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。

同国の2023年のインフレ率は22年比で211.4%増となり、前左派政権を支持する有権者を驚かせた。

ミレイ氏は先月20日、労組の権限を制限し、労働法を含む左派政権が施行した何百もの法律を廃止または修正する政令を発表した。

裁判所は労働法改正のみ留保するよう政府に命じている。

ゼネストは24日夜に終了する予定。ミレイ政権はまだコメントを出しておらず、ゼネストがミレイ氏のアジェンダの障害になるかどうかは不明だ。

AP通信は政府筋の話しとして、「労組は前政権がもたらした3桁のインフレとアルゼンチン・ペソの急な切り下げに不満を抱いている一方、労組の力を弱めようとしているミレイ大統領の考えにも反対している」と報じた。

労組の書記長たちは前政権がもたらした問題の解決を望みつつも、文句を言わなければ労組が弱体化するため、ゼネストに踏み切ったとみられる。

専門家はミレイ氏が労組との対決を望んでいると指摘。最新の世論調査によると、ミレイ氏の経済対策は一定の理解を得る一方、労組の支持率は低迷している。

アルゼンチンでゼネストが行われたのは約5年振り。1983年の民主化以来、大統領就任から1カ月ほどで実施されたのは初めてだという。

中道左派のフェルナンデス(Alberto Fernández)前大統領はゼネストに直面しなかった。

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