反政府勢力がドローン攻撃、陸軍兵士3人死亡 コロンビア

コロンビアのゲリラや麻薬カルテルは農村地域の支配権を争う中で、軍やライバルを攻撃するために武装ドローンを活用。主に爆発物を搭載できるようにした商業用ドローンを使っている。
南米コロンビア、陸軍の兵士(ロイター通信)

コロンビア北部カタトゥンボの左翼ゲリラが陸軍のパトロール部隊を攻撃し、兵士3人が死亡、8人が負傷した。軍当局が21日、明らかにした。

それによると、爆発物を搭載したドローンが20日、軍の車列を攻撃したという。

軍は声明で、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の犯行と非難した。

現地メディアによると、車列はカタトゥンボ郊外の集落の外れで攻撃を受けたという。

ELNは犯行声明を出していない。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は約6000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。

コロンビアのゲリラや麻薬カルテルは農村地域の支配権を争う中で、軍やライバルを攻撃するために武装ドローンを活用。主に爆発物を搭載できるようにした商業用ドローンを使っている。

国防省は反政府勢力が昨年、115件のドローン攻撃を実施したと発表している。20日のドローン攻撃は記録上最も深刻な被害をもたらした攻撃の一つである。

カタトゥンボでは今年1月、ELNとコロンビア革命軍(FARC)の分派である左翼ゲリラ「FARC-EMC」との戦闘が激化。少なくとも80人が死亡、数万人が避難を余儀なくされた。

コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡したとされる。

政府とFARCは2016年に和平協定を結び、1万3000人以上のゲリラが武器を置いた。

22年に就任したペトロ(Gustavo Petro)大統領は内戦終結に向け、左翼ゲリラとの和平交渉をまとめ、平和をもたらすと誓ったが、治安は改善するどころか悪化しているように見える。

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