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エクアドル首都で反政府デモ、ノボア大統領に退陣求める、衝突も

数百人の抗議者はキト南部から北部の公園へ向かって行進。「ノボア退陣、退陣!」と叫びながら進んだ。
2025年10月12日/エクアドル、首都キト、燃料補助金の廃止に抗議するデモ(AP通信)

南米エクアドルの首都キトで12日、ノボア(Daniel Noboa)大統領の政策に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と警察が衝突した。

現地メディアによると、暴徒は建物や車に石を投げつけ、略奪も確認されたという。機動隊は催涙ガスで暴徒を追い払った。

数百人の抗議者はキト南部から北部の公園へ向かって行進。「ノボア退陣、退陣!」と叫びながら進んだ。

しばらくすると、オートバイに乗った警察官が群衆に向けて催涙ガスを発射。負傷者や逮捕者は報告されていない。

政府は全国10州に非常事態宣言を発令中。燃料補助金の廃止に乗じて、反体制派やギャングが暴動を企てていると非難している。

ノボア氏は9月12日にディーゼル燃料に対する補助金廃止を指示。その後、これに反対する先住民族グループなどがデモを開始した。

北部地域のデモは4週目に突入。対話の兆しが見えない中、これまでに抗議者1人が死亡、多数の抗議者と警察官が負傷し、100人以上が逮捕された。

ノボア氏は財政健全化を理由に補助金を廃止。コロンビアとペルーからの燃料密輸に対処すると約束しているが、国の治安が悪化する中、強力な麻薬カルテルやギャングの取り締まりが実現するかは不透明な情勢だ。

一部の専門家はノボア氏が右傾化し、対話の姿勢が欠けていると指摘。一方で、一部の過激な先住民族や左派勢力が武力による政権転覆を企て、混乱に拍車をかけていると懸念を示している。

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