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▽選挙管理委員会によると、開票率97%時点でノボア氏の得票率は44.15%、左派のゴンザレス氏は43.96%。
エクアドルのノボア大統領(左)とゴンザレス氏(Getty Images/AFP通信)

南米エクアドルのノボア(Daniel Noboa、37歳)大統領は11日、週末に行われた大統領選挙の結果に疑問を投げかけた。

ノボア氏は地元ラジオ局のインタビューで、「第1ラウンドの結果は不正があったことを示しているように思える」と述べたが、その証拠は示さなかった。

選挙管理委員会によると、開票率97%時点でノボア氏の得票率は44.15%、左派のゴンザレス(Luisa Gonzalez、47歳)氏は43.96%。

第1ラウンドで勝利するためには有効票の50%以上を獲得するか、2位候補に10ポイント差をつけながら40%以上を獲得する必要がある。

ノボア氏は23年の大統領選でゴンザレス氏との一騎打ちを制し、初当選を果たした。この選挙は弾劾訴追に直面した当時のラソ(Guillermo Lasso)大統領が前倒しで実施を決めたため、ノボア氏の任期は1年5カ月となった。

地元メディアの世論調査によると、ノボア氏の支持率は45~50%、左派のゴンザレス(Luisa Gonzalez)氏は35~40%となっていた。ノボア氏が第1ラウンドで勝利するという見方もあったが、予想を覆す大接戦となった。

ノボア氏はインタビューの中で、「多くの不正があり、まだ集計中だが、辻褄の合わないことがあったという報告を受けている」と語った。

しかし、欧米の選挙監視団は「集計に矛盾はないように見える」と反撃した。

米州機構(OAS)は声明で、「選挙管理委員会が示したデータに大きな問題はみられない」と述べた。

またOASは「現場で投票と集計を監視しているチームは現在までのところ、不正行為を確認したり、そのような兆候を見ていない」とした。

EUの選挙監視団も同様の見解を示した。「現時点で何らかの不正があったという客観的な要素はひとつもない...」

また同監視団はノボア氏だけでなく、ゴンザレス氏も不正があったと主張していることに言及した。

ノボア氏は就任後、麻薬取引関連の犯罪を厳しく取り締まるという公約を実行に移した。

しかし、取り締まりを強化した後も複数の都市でギャング間抗争が続き、市民が巻き込まれるケースもあった。

港湾都市グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄した。

ノボア氏はこの脱獄を受け、国家非常事態を宣言。陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。

それ以来、同国は非常事態宣言下にあり、陸軍と警察がギャング、麻薬組織、人身売買組織を厳しく取り締まっている。

ノボア氏は選挙キャンペーン中、自身の政策により、暴力事件による死者が15%減少し、刑務所内での暴力が激減し、ギャングの取り締まりが容易になったと成果を強調した。

一方、ゴンザレス氏はエクアドルを揺るがしている麻薬犯罪と闘うために、より一層の努力を求めている。

ゴンザレス氏は選挙期間中、軍隊や警察によると大規模摘発に言及。さらに司法や検察でも汚職が蔓延していると主張し、政府と国会が連携して問題に対処する必要があると訴えてきた。

またゴンザレス氏はノボア氏による非常事態宣言を非難。「恐怖で国を統治するのではなく、友愛と希望で変化をもたらすことが重要だ」と述べていた。

野党陣営は数日前からノボア氏が票を操作する可能性があると主張してきたが、その証拠は示していない。

決選投票は4月13日に行われる。

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