ペルー大統領がまた罷免に、10年足らずで7人目の大統領誕生
ペルー国民は10年足らずで7人目の大統領を迎えることとなった。
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ペルー議会(一院制、定数130)は10日、ボルアルテ(Dina Boluarte)大統領の不信任決議案を圧倒的賛成多数で可決した。
これにより、ペルー国民は10年足らずで7人目の大統領を迎えることとなった。
議会がボルアルテ氏を解任した後、38歳のホセ・ヘリ(José Jerí)氏が抗議デモで揺れる国家の舵取りを任された。
首都リマでは9月以降、ボルアルテ政権に抗議するデモが続いている。
このデモは18歳以上の全国民に年金加入を義務付ける年金制度改革を契機に勃発。ボルアルテ氏と議会に対する長年の怒りも抗議を煽る要因となっている。
専門家は政界における過去の汚職への怒りが積み重なり、今回のデモの引き金になったと指摘している。
この不満は汚職スキャンダル、経済不安、犯罪増加に加え、2022年末にカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領が解任・逮捕された後、ボルアルテ氏が権力を掌握した際に治安部隊によって数十人の抗議者が殺害されたことに対する説明責任の欠如への怒りによって煽られてきた。
一方、ボルアルテ氏の跡を継いだホセ・ヘリ氏は就任宣誓で「和解」を追求し、急増する犯罪に対処し、来年の大統領選挙において「中立性」を確保すると誓った。
議会は9日遅くにボルアルテ氏の弾劾決議案の審議を開始。議員たちはボルアルテ氏に出席を要求したが、ボルアルテ氏が姿を見せなかったため、採決を開始。124人が賛成票を投じた。反対票はゼロであった。
ペルー政界の汚職問題は、長年にわたって国内政治の根幹を揺るがしてきた。特に2000年代以降、多くの元大統領や高官が汚職や収賄、不正契約に関与したとして告発・起訴されており、制度的な腐敗が根深いことが浮き彫りとなっている。
代表的な事例として、アルベルト・フジモリ元大統領が挙げられる。彼は1990年から2000年まで大統領を務めたが、政権末期には諜報機関の幹部と共に汚職や人権侵害、不正選挙の責任を問われて逮捕・有罪判決を受けた。その後も複数の歴代大統領が、いずれも汚職スキャンダルに関与していたとされ、国民の政治不信は極度に高まっている。