◎昨年7月に就任したペドロ・カスティジョ大統領は就任から半年も経たぬうちに内閣を3度オーバーホールし、批判に直面している。
2月5日、ペルーの新首相(閣僚評議会議長)に指名されたヘクトル・バレル氏は就任からわずか3日で辞職し、進行中の政治危機に拍車をかけた。
昨年7月に就任したペドロ・カスティジョ大統領は就任から半年も経たぬうちに内閣を3度オーバーホールし、批判に直面している。
政府は現在、内閣改造問題とトンガの海底火山噴火後に発生した津波による原油流出災害で混乱状態に陥っている。
カスティジョ大統領は4日の声明で「4度目の内閣改造を行う」と発表していたため、バレル首相の辞任で混乱は最高潮に達すると予想されている。
カスティジョ政権で3人目の首相となったバレル首相は5日、「新聞社に機関銃で撃たれた」と述べ、辞意を表明した。
地元メディアによると、バレル首相は2016年に家庭内暴力で訴えられていたという。メディアは警察に提出された証言記録を引用し、「バレル首相は妻と娘に蹴る、殴る、髪を引っ張るなどの身体的暴力を加えた」と報じた。
バレル首相は暴力を否定している。妻は2021年に他界した。
カスティジョ政権は原油流出を含む進行中の混乱を収束させると約束しているが、地元メディアによると、2021年の選挙でカスティジョ大統領に投票した人々が4日に初めて抗議デモを行い、閣僚人事を批判したという。
2021年の選挙で敗れたケイコ・フジモリ氏は4日、カスティジョ大統領に辞任を要求した。「国民は大統領のデタラメ人事にウンザリしています。彼は大統領の職責をまったく理解していません」
カスティジョ大統領は農家出身の元教師で、組合のリーダーを務める中で支持を集め、見事当選を果たした。