◎ペルーで大統領が逮捕されたり、投獄されたりすることは珍しくない。
ペルーのボルアルテ大統領(Martin Mejia/AP通信)

高級腕時計など数十万ドル相当の宝飾品を不正に入手したとされるペルーボルアルテ(Dina Boluarte)大統領が検察当局の取り調べを受けた。現地メディアが5日に報じた。

それによると、聴取は5時間にのぼったという。

警察当局は先週末、ボルアルテ氏の自宅を家宅捜索。現職の自宅が捜索を受けたのは同国史上初の珍事である。

ペルーで大統領が逮捕されたり、投獄されたりすることは珍しくない。

検察はボルアルテ氏が就任後、ロレックスを含む高級腕時計などの宝飾品を不正に入手した疑いがあるとみて捜査している。

地元メディアによると、ボルアルテ氏は公用車で大統領府を出発し、どこかに姿を消したという。検察は聴取の内容を明らかにしていない。

首都リマの大統領府周辺にはボルアルテ氏の辞任を求める市民数十人が集まり、機動隊とにらみ合った。報道によると、一部の暴徒と機動隊が衝突したという。

大統領府から数ブロック離れた通りでは機動隊がデモ隊に催涙ガス弾を撃ち込んだ。デモ隊はドラムを鳴らしながら「失せろ、ボルアルテ」などと叫んでいた。

地元テレビ局は先月中旬、ボルアルテ氏が1万4000ドルほどで取引されているロレックスを着用している姿を報じた。

その後、多くのメディアが別のロレックスや金とダイヤモンドで構成されるカルティエのブレスレットなどをつけるボルアルテ氏の映像・写真を公開した。このブレスレットは5万4000ドル以上で取引されているという。

SNSユーザーや地元メディアはこの事案を米国のウォーターゲート事件をもじって、「ロレックスゲート」と呼んでいる。

ペルーの政治家は法律に基づき、2791ドルを超える宝飾品を申告することが義務付けられている。

このロレックスやブレスレットがどこから湧いて出てきたのかはまだ明らかになっていない。ボルアルテ氏は昨年の資産申告書類にロレックスを記載していなかった。

ボルアルテ氏の前任であるカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領は2022年12月、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表した後、議会の弾劾投票で罷免され、反逆罪で逮捕された。

その後まもなく、副大統領のボルアルテ氏が同国初の女性大統領に就任した。

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