◎急進左派の元教員であるカスティジョ氏は昨年7月、フジモリ元大統領の娘であるケイコ・フジモリ氏をわずか4万票差で破り、大統領に就任した。
ペルーの検察当局は17日、公共事業契約で賄賂を受け取ったと告発されているカスティジョ(Pedro Castillo)大統領が出頭し、取り調べに応じたと発表した。
カスティジョ氏は出頭に先立ち、「検察の捜査に協力し、透明性を保ち、私に対する誤った告発と疑惑を払拭する」とツイートした。
現地メディアによると、カスティジョ氏は警察官と騎馬隊を引き連れて首都リマの検察庁に向かったという。
検察庁周辺にはカスティジョ氏の支持者と思われる人々が大挙して押し寄せ、「反乱に立ち向かおう」「カスティジョ愛している」などと叫んだ。
AP通信によると、カスティジョ氏は数人の支持者と握手を交わしたが、メディアの質問には応じなかったという。
反対派はメガホンで「犯罪者!」「泥棒大統領」などと叫び、ある活動家は「フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領のように投獄しろ」とメディアに訴えた。「あの詐欺師は国民を騙したのです...」
検察はカスティジョ政権の前運輸相であるシルバ(Juan Silva)議員を含む6人の議員についても捜査している。
この捜査はカスティーヨ氏らが一部の企業に不適切に公共事業を受注させ、賄賂を受け取っていたという告発に基づいている。
同国の検察が現職の大統領を捜査するのは史上初。
1985年~2020年の間にペルーを率いた元大統領6人が、汚職やマネーロンダリングで捜査の対象になっている。そのうちの1人で1985年~1990年、2006年~2011年まで大統領を務めたガルシア(Alan Garcia)氏は、ブラジルの建設会社から賄賂を受けとったいう疑惑で拘束される前に自殺している。
カスティジョ氏は2021年7月の就任以来、2度罷免の危機に直面し、いずれも何とか乗り切っている。
最新の世論調査によると、カスティジョ氏の不支持率は70%に達し、回答者の67%が大統領の辞職と議会の解散総選挙が「最善の道」と回答した。
急進左派の元教員であるカスティジョ氏は昨年7月、フジモリ氏の娘であるケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏をわずか4万票差で破り、大統領に就任した。