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ペルー新大統領、犯罪対策強化を約束、刑務所一斉捜索

ペルーの殺人件数は近年急増しており、昨年は過去最多の2082件に達した。
2025年10月10日/ペルー、首都リマの国会、ホセ・ヘリ新大統領(AP通信)

ペルーのホセ・ヘリ(José Jerí)(Dina Boluarte)暫定大統領は11日、ギャングの首領を収容する刑務所に対し、一斉捜索を行うよう命じたと明らかにした。

議会(一院制、定数130)は前日、ボルアルテ(Dina Boluarte)前大統領の不信任決議案を圧倒的賛成多数で可決。これにより、ペルー国民は10年足らずで7人目の大統領を迎えることとなった。

首都リマでは9月以降、ボルアルテ氏に抗議するデモが続いていた。

このデモは18歳以上の全国民に年金加入を義務付ける年金制度改革を契機に勃発。ボルアルテ氏と議会に対する長年の怒りも抗議を煽る要因となっている。

専門家は政界における過去の汚職への怒りが積み重なり、今回のデモの引き金になったと指摘している。

この不満は汚職スキャンダル、経済不安、犯罪増加に加え、2022年末にカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領が解任・逮捕された後、ボルアルテ氏が権力を掌握した際に治安部隊によって数十人の抗議者が殺害されたことに対する説明責任の欠如への怒りによって煽られてきた。

ヘリ氏はリマ近郊の刑務所に入り、ギャングの密輸品捜索を監督。犯罪対策強化のメッセージを発信した。

当局によると、全国の刑務所に陸軍と警察の合同チームが突撃し、持ち込まれた携帯電話、薬物、銃器などを押収したという。

リマでは10日に開催されたコンサートで銃撃事件が発生。ギャング間抗争とみられ、警察が捜査している。

多くの国民がこの事件に激怒し、ボルソナロ氏を解任するよう要求。SNSも大荒れとなった。

ペルーの殺人件数は近年急増しており、昨年は過去最多の2082件に達した。

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