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ペルー裁判所、罷免された前大統領の出国阻止請求を却下

議会は先週末、ボルアルテ氏の不信任決議案を圧倒的賛成多数で可決。ホセ・ヘリ大統領が後任に選ばれた。
南米ペルーのボルアルテ前大統領(Getty Images/AFP通信)

南米ペルーの裁判官は15日、先週議会(一院制、定数130)によって解任されたボルアルテ(Dina Boluarte)前大統領の出国を禁じるよう求める検察の請求を却下した。

議会は先週末、ボルアルテ氏の不信任決議案を圧倒的賛成多数で可決。ホセ・ヘリ(José Jerí)大統領が後任に選ばれた。

首都リマの裁判所は検察庁の請求を却下。ボルアルテ氏に逃亡の恐れはないと指摘した。

ボルアルテ氏は職権乱用と資金洗浄の疑いで捜査を受けている。

ボルアルテ氏は不成行為を否定している。

検察はボルアルテ氏が犯罪組織から金銭を受け取ったとされる疑惑や、2023年の鼻整形手術に関与したとされる保健当局者の任命に関する捜査のため、同氏の出国を阻止しようとしていた。

ボルアルテ氏は2年前、議会に報告せずに鼻の整形手術を受けるため2週間職務を放棄した疑いで告発されている。

また、高級統計のロレックスを受け取ったとされる汚職疑惑にも直面している。

リマでは9月以降、ボルアルテ氏に抗議するデモが続いていた。

このデモは18歳以上の全国民に年金加入を義務付ける年金制度改革を契機に勃発。ボルアルテ氏と議会に対する長年の怒りも抗議を煽る要因となっている。

専門家は政界における過去の汚職への怒りが積み重なり、今回のデモの引き金になったと指摘していた。

この不満は汚職スキャンダル、経済不安、犯罪増加に加え、2022年末にカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領が解任・逮捕された後、ボルアルテ氏が権力を掌握した際に治安部隊によって数十人の抗議者が殺害されたことに対する説明責任の欠如への怒りによって煽られてきた。

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