ペルー大統領、内戦時の犯罪を赦免する法案に署名
人権団体は156件の有罪判決が覆され、600件の裁判が打ち切りになると批判している。
.jpg)
ペルーのボルアルテ(Dina Boluarte)大統領は13日、1980年から2000年にかけての内戦で戦争犯罪や人権侵害などの罪に問われている軍人や警察官を赦免する法案に署名した。
多くの人権団体がこの恩赦法に反対していたが、ボルアルテ氏は批判を退けた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は声明で、この恩赦は重大な犯罪に関与した者たちに免責を付与すると指摘。「ペルーがニカラグア、ベネズエラ、その他の国々と共に、被害者の権利を無視する立場に立った」と非難した。
1980年から2000年にかけて、ペルー軍と左翼ゲリラ「「センデロ・ルミノソ」の間で戦闘が激化し、推定7万人が死亡、その大半が農村地域で犠牲になった。
ペルー最大の反政府ゲリラであったセンデロ・ルミノソは故フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領在任当時に政府が行った摘発で壊滅した。
しかし、その残党はこの10数年、主に農村部で勢力を強めており、アプリマク川やエネ川流域の麻薬カルテルとの関係を深め、同地域のコカ畑を支配している。
ボルアルテ氏は式典で、「政府は勇気と献身で反乱勢力と対峙した人々を称える」と語った。
またボルアルテ氏は「軍人や警察官は何年にもわたり、終わりのない裁判、不当な告発、そして彼らだけでなく家族にも影響を及ぼした苦痛の重荷を背負ってきた」と付け加えた。
議会は先月、この法案を可決した。
人権団体は156件の有罪判決が覆され、600件の裁判が打ち切りになると批判している。
ペルーは1980年代初頭、貧困や格差が急拡大し、社会不満が高まっていた。センデロ・ルミノソは貧困層の不満の受け皿となり、毛沢東思想を掲げ、武装闘争による革命を目指した。