◎首都リマに乗り込んだ南部の市民は数千人に達し、市内でほぼ毎日デモを行っている。
ペルーのボルアルテ(Dina Boluarte)大統領は27日、総選挙を今年後半に前倒しするという連邦議会の案を速やかに承認するよう求めた。
ボルアルテ氏は2026年に予定されている選挙を2024年4月に前倒ししたいと提案していたが、連邦議会では2023年12月まで前倒しする案への支持が高まっているようだ。
ボルアルテ氏はアンデス地方に医薬品やその他の物資を送る政府主催のイベントに出席し、「今年後半に選挙を実施できれば、泥沼から抜け出せる」と語った。
前大統領のカスティジョ(Pedro Castillo)容疑者は先月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。
その後まもなく、副大統領のボルアルテ氏が政権を引き継いだ。
カスティジョ容疑者の解放とブルアルテ氏の辞任を求めるデモ隊は首都リマや南部で抗議デモを展開し、高速道路や幹線道路を封鎖。警察と衝突した。
地元の人権団体によると、この暴動で死亡した民間人は確認できているだけで56人に達し、数百人が負傷したという。
ボルアルテ氏は暴動と道路封鎖に懸念を表明し、「選挙を大きく前倒しする可能性について閣僚と話し合った」と明らかにした。「私は議会が承認するのであれば、解散総選挙に喜んで応じます...」
またボルアルテ氏は「大統領職に興味はなく、権力を堅持したいとも思わない」と述べた。
ボルアルテ氏に対する抗議は主に南部の農村部に集中している。カスティジョ容疑者はアンデスの農村出身であり、多くの有権者が親近感を抱いている。
地元メディアによると、首都リマに乗り込んだ南部の市民は数千人に達し、市内でほぼ毎日デモを行っているという。
ボルアルテ氏は暴力的なデモを非難し、違法採掘者や麻薬密売人がカスティジョ政権を復活させるために資金を提供していると主張。暴動を厳しく取り締まってきた。
国防省は26日、国内の一部地域で物資不足を引き起こしている道路封鎖を解除する作戦を開始すると発表。軍と警察の合同作戦になると説明した。