◎デモ参加者は▽カスティジョ容疑者(前大統領)の解放▽ボルアルテ大統領の解任▽即時の大統領選および議会選実施▽新憲法の制定などを求めている。
ペルー議会は28日、2026年から2023年12月に総選挙を前倒しするという提案を反対多数で否決した。
ボルアルテ氏は前日、連邦議会で総選挙を前倒しするという機運が高まったことに支持を表明したが、願いは届かなかった。
議会は先月、選挙を2026年から2024年4月に前倒しすることに合意した。
地元メディアによると、28日未明に開かれた本会議で2023年12月まで前倒しするという提案が示されるも、賛成45票ー反対65票(棄権2票)で否決されたという。
ボルアルテ氏を支持する左派政党は前倒しに賛成しているが、多数派を占める右派政党は「まずはボルアルテ政権の退陣が先だ」と非難している。
議会議長は声明で、「7時間以上に及ぶ討議の末、提案は否決された」と述べた。
採決後、議長は野党から再考の要請を受けた。報道によると、30日の本会議で再びこの問題について協議する予定だという。しかし、右派政党の決意は固いようにみえる。
前大統領のカスティジョ(Pedro Castillo)容疑者は先月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。
その後まもなく、副大統領のボルアルテ氏が政権を引き継いだ。
右派政党はボルアルテ氏を含む前政権に責任があるとして、退陣を要求している。
一方、カスティジョ容疑者の解放とブルアルテ氏の解任を求めるデモ隊は首都リマや南部で抗議デモを展開し、高速や幹線道路を封鎖。警察とほぼ毎日衝突している。
デモ参加者は▽カスティジョ容疑者の解放▽ボルアルテ氏の解任▽即時の大統領選および議会選実施▽新憲法の制定などを求めている。
ボルアルテ氏は27日の声明で大統領職に固執するつもりはなく、議会が認めるのであれば前倒し選に喜んで応じると主張した。「私は憲法に基づき、大統領の後任を務めているのです」
デモは主に南部の貧困地域で拡大している。カスティジョ容疑者はアンデスの農村出身であり、多くの有権者が親近感を抱いているようだ。
デモ隊は南部からリマに遠征し、高速や幹線道路を封鎖。食料や燃料の輸送に深刻な影響が出ている。
地元の人権団体によると、この封鎖で市民少なくとも10人が必要な治療や医薬品を入手できず、死亡したという。
国防省は26日、物資不足を引き起こしている道路封鎖を解除する軍・警察による共同作戦を決行すると宣言した。