◎大統領府はこの法律に関するコメントを出していない。
2017年11月25日/ペルー、首都リマの裁判所、フジモリ元大統領(Getty-Images/AFP通信)

ペルー政府は9日、2002年以前に行われた「人道に対する罪」の訴追を防ぐ法律を施行した。

これにより、1980年から2000年まで続いた武力紛争で虐殺や殺人に関与した数百人が罪を免れることになった。

大統領府はこの法律に関するコメントを出していない。

米州人権裁判所は先月、ボルアルテ(Dina Boluarte)大統領や国会議員などに対し、この法案は国際法に反するため無効とするよう命じていた。

国連は9日、法律が施行されたことを強く非難した。

国連人権理事会のターク(Volker Turk)高等弁務官は声明で、「この法律は国際法に基づく国の義務に反しており、ペルーにおける人権と法の支配を否定するものである」と述べた。

またターク氏は「人道に対する罪と戦争犯罪は最も重大な国際法違反のひとつであり、恩赦も時効も適用されるべきではない。その責任者は国際法に則り、責任を負わなければならない」と強調した。

ペルー検察長が6月に公表した試算によると、この法律は550人の被害者と600の事件に直接的な影響を与えるという。

フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領は1991年と1992年に「反テロリスト作戦」を指揮し、子供を含む反対派勢力25人を殺害したとして、2009年に人道に対する罪などで懲役25年を言い渡された。

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