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ベネズエラ内相「米海軍が市民11人を殺害した」主張

米海軍は今月初め、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害した。
トランプ米大統領(左)とベネズエラのマドゥロ大統領(AP通信)

ベネズエラのカベロ(Diosdado Cabello)内相は13日、米海軍の空爆で死亡した11人は一般市民であり、ギャングのメンバーではないと主張した。

米海軍は今月初め、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害した。

トランプ政権はラテンアメリカの麻薬カルテルからの脅威と闘う取り組みの一環として、カリブ海にイージス艦など、4000人以上の部隊を派遣している。

カベロ氏は国営テレビのインタビューで、「米軍の空爆を受けた船舶にトレンデアラグアのメンバーは1人もいなかった」と語った。

米国防総省はこの空爆に関する詳細を明らかにしていない。

カベロ氏は「米国は11人を殺害したと自供した。我々は調査を行ったが、行方不明者の家族は親族の安否を気遣っており、各町で聞き取り調査を行ったところ、トレデアラグアのメンバーも、麻薬密売人もいなかったことが分かった」と述べたが、証拠は示さなかった。

マドゥロ政権は米政府が公開した空爆の映像を「偽物」と呼んでいる。

ホワイトハウスの報道官は13日の声明で、「彼らは邪悪なトレンデアラグアの麻薬テロリストであり、我が国に違法薬物を持ち込み米国民を殺害しようとしていた」と述べ、カベロ氏の主張を一蹴した。

米司法省は先月、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領にかけている報奨金を5000万ドルに引き上げた。

ボンディ(Pam Bondi)司法長官はマドゥロ氏を「世界最カリブ海密売人のひとり」と評し、麻薬カルテルと共謀した合成麻薬フェンタニルを混ぜたコカインを米国に大量に流入させていると非難した。

米国務省は2月、トレンデアラグアを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。

トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局は23年、この組織を解体したと発表したが、幹部の行方は分かっていない。

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