◎カスティジョ氏は弁護士を通じてメキシコ大統領府に亡命を申請した。
メキシコ政府は8日、反逆罪で逮捕されたペルーのカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領から亡命申請を受け、許可するか否か検討していると明らかにした。
地元メディアによると、カスティジョ氏は弁護士を通じてメキシコ大統領府に亡命を申請したという。
メキシコのエブラルド(Marcelo Ebrard)外相は声明で、「現在この問題を協議している」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
カスティジョ氏は7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。
弾劾投票から数時間後、ボルアルテ(Dina Boluarte)副大統領が議会で宣誓し、同国初の女性大統領が誕生した。
報道によると、カスティジョ氏の弁護士はメキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領に宛てた書簡の中で、「大統領は司法機関の根拠のない迫害に直面しており...亡命を申請する」と要請したという。
また弁護士は、「司法当局は単なる意思表示(議会解散宣言)で大統領を起訴するつもりだ」と主張した。
報道によると、駐ペルー・メキシコ大使は首都リマでカスティジョ氏と面会したという。
ボルアルテ大統領は2021年の大統領選でカスティジョ氏のランニングメイトを務めたが、議会解散宣言を「クーデター」と糾弾し、反旗を翻した。
ボルアルテ氏は就任演説で国民に「団結」、議会に「停戦」を呼びかけた。
カスティジョ氏は農村部出身の元教師で、教育や医療のサービス向上などを公約に掲げ、昨年の大統領選で勝利し、左派政権を発足させた。
しかし、修士論文の盗用疑惑や汚職など、少なくとも6つの疑惑で批判に直面し、厳しい政権運営を余儀なくされていた。
政治経験ゼロのカスティジョ氏の政権運営は極めて不安定で、就任数カ月で行き詰まったように見えた。閣僚は絶えず入れ替わり、3人目の首相は就任からわずか3日で辞任した。
ペルーのメディアによると、リマでカスティジョ氏の逮捕に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と警察が衝突しいたという。負傷者・逮捕者が出たかどうかは明らかになっていない。