◎今年ダリエン地峡を横断した移民は35万人に達し、昨年1年間の約25万人を大幅に上回り、過去最高を更新中である。
パナマ当局が同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を横断する移民の急増を受け、対策を強化する。現地メディアが8日に報じた。
それによると、コルティソ(Laurentino Cortizo)大統領はダリエン地峡で保護された移民を強制送還するチャーター便の運航を許可したという。
今年ダリエン地峡を横断した移民は35万人に達し、昨年1年間の約25万人を大幅に上回り、過去最高を更新中である。
大統領府の報道官は記者会見で、「関係国と連絡を密に取り、必要な手続きを経たうえで、強制送還を増やしていく」と語った。
また報道官は「政府は責任を持って移民の流入を管理しようとしてきた」と強調。「管理を怠っていれば、多くの移民が路上にあふれていただろう」と述べた。
当局はダリエン地峡を横断した移民全員の生体データを収集し、データベースに登録したとしている。
報道官は「ダリエン地峡で暗躍する武器・麻薬密売組織を捕らえる活動の一環として、ドローンなどによる空からのパトロールを増やす計画である」と明らかにした。
また報道官は「国境近くに移民を登録するための施設を建設する予定で、その管理は地方自治体ではなく国が担う」とした。
コロンビア政府はダリエン地峡に関するコメントを出していない。
パナマは空路で入国する一部の外国人に対する条件も厳しくする。観光客の最大滞在日数は90日から15日に短縮される予定だ。報道官はこの措置について、「すべての外国人に適用されるわけではない」と述べた。
今年ダリエン地峡を横断した移民の半数以上がベネズエラ人である。パナマ当局はこの移民をバスに乗せ、コスタリカ側(米国側)に運ぶことに主眼を置いてきた。
米国・パナマ・コロンビア政府は今年4月、ダリエン地峡を利用して人身売買を行う組織の取り締まりを強化することで合意した。