SHARE:

ベネズエラ「恩赦法」成立、政治犯379人の釈放始まる

この恩赦法は国民議会(一院制、定数277)で可決され、ロドリゲス暫定大統領が署名・成立させたものである。
2026年2月19日/ベネズエラ、首都カラカスの議会議事堂前、政治犯の釈放を求める人々(AP通信)

ベネズエラ政府は2月19日に成立した「恩赦法」に基づき、政治的理由で拘束された少なくとも379人の政治犯を釈放する準備を進めている。当局が21日、明らかにした。

この恩赦法は国民議会(一院制、定数277)で可決され、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領が署名・成立させたものである。恩赦の対象となるのは野党政治家や活動家、人権擁護者、ジャーナリストらで、数カ月あるいは数年にわたって拘束されていた者が含まれる見込みだ。

国民議会の特別委員会は379人の恩赦申請が受理され、申請者の釈放が週末にかけて行われる予定であると明らかにした。また、今後15日以内に追加の釈放が認められる可能性があるという。西部バリナス州などで一部の政治犯が釈放され、恩赦に基づく釈放の確認作業が進行中だ。

恩赦法は1999年以降の政治的対立や抗議行動に関連する罪について、「一般かつ全面的な恩赦」を付与することを目的としているが、殺人、麻薬取引、重大な人権侵害、軍事反乱などの重罪で有罪判決を受けた者は対象外となっている。これについて複数の人権団体が批判の声を上げている。人権団体フォロ・ペナル(Foro Penal)は軍関係者や主要な政治指導者が除外されているのは「差別的かつ違憲」であり、これがなければ「国民的共存は実現しない」と主張した。

恩赦法成立はベネズエラ政府が長年否認してきた政治犯の存在を事実上認める動きとしても位置付けられている。政府はこれを政治的寛容の一歩と説明しているが、釈放の遅さや釈放後の厳しい条件に対しては家族や人権団体から不満が出ている。政治犯の権利回復や報道機関への制限解除など、恩赦以外の改革も求められている状況だ。

恩赦法は2024年の大統領選挙後の抗議デモにも適用される可能性があり、この時期には2000人以上が拘束されたとみられるが、恩赦の対象となるかどうかは個別の審査に委ねられている。ロドリゲス氏は恩赦法について「ベネズエラの政治に新たな道を開くものだ」と述べた。

一方、恩赦に含まれないケースや釈放後の制約については批判が残り、家族らは首都カラカス近郊の拘置所前で釈放を待ち続けている。国内外の人権団体は全ての政治犯の無条件解放と司法制度の透明性の確保が不可欠であると訴えている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします