▽ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。
コロンビア政府によると、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との和平交渉が決裂し、北部カタトゥンボで戦闘が勃発、少なくとも60人が死亡したという。
政府は18日遅くに声明を出し、ELNとコロンビア革命軍(FARC)から分裂した組織による戦闘が激化したと明らかにした。
それによると、ELNは和平交渉に参加したFARCの元幹部ら7人を殺害。その後、左翼ゲリラ「FARC-EMC」に攻撃を仕掛けたという。
戦闘はベネズエラ国境に近いカタトゥンボのいくつかの町で発生し、和平交渉に加わっていた少なくとも3人が誘拐された。
ペトロ(Gustavo Petro)大統領は17日、「ELNが戦争犯罪を犯した」と非難し、和平交渉を中断すると発表した。
ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~5000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。
政府とELNの和平交渉は22年に再開されたものの、何度も中断している。昨年9月にはベネズエラ国境付近でELNの爆弾攻撃により陸軍兵士2人が死亡、29人が負傷。政府は翌日、交渉を中断した。
地元メディアによると、カタトゥンボの戦闘は16日に激化し、何百人もの市民が避難を余儀なくされたという。
政府はELNに対し、すべての攻撃を停止し、当局による人道支援の搬入を許可するよう求めている。
ELNはカタトゥンボの複数カ所でFARC-EMCと衝突しているとみられる。両組織は何年も前からコカの葉の生産地であるカタトゥンボの支配権をめぐって争ってきた。
大統領府は声明で、「2つの町にいる約5000人に10トンの食料と衛星キットを送る準備をしている」と述べた。
ペトロ氏は政府とFARCが2016年に結んだ和平協定に参加していないゲリラや過激派との交渉を進めている。