▽開票率92%時点で現職のノボア大統領の得票率は55.8%、左派のゴンザレス氏は44.1%、100万票以上の差がついた。
とゴンザレス氏(ロイター通信).jpg)
南米エクアドルの選挙管理委員会が13日に行われた大統領選決選投票の暫定結果を公表した。
それによると、開票率92%時点で現職のノボア(Daniel Noboa、37歳)大統領の得票率は55.8%、左派のゴンザレス(Luisa Gonzalez、47歳)氏は44.1%、100万票以上の差がついた。
選管はこれを受け、ノボア氏の勝利を宣言した。
ノボア氏は支持者の前で演説。有権者に謝意を示し、国のために働くと約束した。
一方、ゴンザレス氏は選管の発表を拒絶し、再集計を要求すると表明。「エクアドル史上最悪で最もグロテスクな不正選挙である」と主張した。
最新の世論調査によると、ノボア氏とゴンザレス氏の支持率は拮抗し、どちらが勝ってもおかしくない状況であった。
2月の大統領選におけるノボア氏の得票率は44.17%、ゴンザレス氏は44.00%、票差はわずか1万7000票であったため、今回の結果は驚きをもって受け止められた。
ノボア氏は23年の大統領選でゴンザレス氏との一騎打ちを制し、初当選を果たした。この選挙は弾劾訴追に直面した当時のラソ(Guillermo Lasso)大統領が前倒しで実施を決めたため、ノボア氏の任期は1年5カ月となった。
ゴンザレス氏はノボア氏の治安対策を批判。自身が勝利した場合、治安対策だけでなく、麻薬組織との話し合いにも応じる可能性があると示唆していた。
エクアドルでは数年前からギャング間抗争が激化。港湾都市グアヤキルでは24年1月、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にある麻薬組織ロス・チョネロスのリーダー「マシアス(Adolfo Macías)」が刑務所から脱獄した。
ノボア氏はこの脱獄を受け、国家非常事態を宣言。陸軍と警察にマシアスを確保するよう命じたが、逮捕には至っていない。
麻薬組織やギャングの暴力は5年ほど前から続いている。麻薬組織は最大の市場である米国に麻薬を送り、銃器の密輸、誘拐、脅迫などで利益を上げてきた。
ゴンザレス氏は2007年から10年間政権を率いたコレア(Rafael Correa)元大統領が制定した社会政策を復活させ、治安を改善すると有権者に約束し、支持を呼びかけた。
ノボア氏は演説で、「この勝利に疑いの余地はない」と語った。
またノボア氏は治安対策だけでなく、経済や安全保障にも注力し、トランプ米政権による関税政策で世界経済が混乱する中、米国を含むアメリカ大陸の同盟国との連携を強化し、自由貿易を推進すると強調した。
選管のデータによると、ノボア氏はグアヤキルを含む複数の主要都市でゴンザレス氏に2~4%の差をつけている。
両候補はそれぞれ4万5000人以上の監視員を全国の投票所に配置していた。