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アルゼンチン中間選挙、ミレイ大統領の右派が勝利

投票率は速報値で68%。1983年の民政復帰以来、最低となった。
2025年10月26日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、中間選挙の勝利を祝うミレイ大統領(AP通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は26日、中間選挙で与党・自由前進(LLA)が左派に勝利したことを受け、支持者の前で国歌を熱唱し、勝利を祝った。

国民議会(下院)の2分の1にあたる127議席と上院の3分の1にあたる24議席が改選対象。選挙管理委員会によると、開票率97%時点でLLAの得票率は40%を超えている。

LLAは上院選が行われた8州中6州でも左派の野党・ペロン党(正義党)を圧倒した。

地元メディアの世論調査では、ペロン党とLLAの支持率は拮抗していた。市場はLLAが僅差で勝利すると予想していた。

ペロン党の得票率は31%にとどまり、過去10数年で最低の結果となった。

ミレイ氏は国歌の一部を熱唱した後、「LLAの下院議席は改選前の37から101議席に増加した」と叫んだ(速報値)。上院では14議席を上乗せし、20議席となる見通しだ。

この結果、ミレイ氏を支持する右派の議席は左派を上回ることが確実となった。

選管によると、投票率は速報値で68%。1983年の民政復帰以来、最低となった。

トランプ(Donald Trump)大統領は26日、ミレイ氏が「共産主義者ども」に敗れた場合、アルゼンチンに対する200億ドルの支援パッケージを取り消すと警告した。

アルゼンチン中央銀行は先週、米財務省と200億ドルの通貨スワップ協定を締結した。

ミレイ氏は23年末に就任。過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、インフレ率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

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