▽ミレイ氏は派手なジェスチャーで議員に訴えたが、目新しい政策はほとんどなかった。
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アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は1日、議会演説で国際通貨基金(IMF)との新たな取り決めが間近に迫っていると示唆した。
現地メディアによると、ミレイ氏はこの1年を総括し、経済改革の成果を強調。今年の経済について、楽観的な見通しを示したという。
ミレイ氏は派手なジェスチャーで議員に訴えたが、目新しい政策はほとんどなかった。
ミレイ氏はIMF融資について、「IMFとの新協定で政府を支持するよう国会に要請する」と語った。
またミレイ氏は23年の大統領選キャンペーンの経済政策に言及。こう宣言した。「ハイパーインフレの話しは終わった。経済成長の話しをしよう。我が国のインフレは低迷、安定している」
ミレイ氏は23年12月に26%だった消費者物価指数(CPI)が25年1月には2%強まで下がったと強調。痛ましい不況から脱却することに成功したという政府の定番の言葉を引用した。「我々は世界の笑いものから……予想外の主人公になったのだ」
またミレイ氏はトランプ米政権の「事業仕分け」リーダー、マスク(Elon Musk)氏との友情とそのアプローチ、インスピレーションを引用し、「久しぶりに世界の目がアルゼンチンに注がれている。イーロンの場合もそうだ」と述べた。
インフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ氏の厳しい緊縮政策はアルゼンチン経済に打撃を受けている。
ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は2%まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は50%を超えた。
IMFと世界銀行はミレイ政権の緊縮財政を評価している。