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アルゼンチン大統領、議会演説で野党を罵倒「馬鹿者ども」

アルゼンチンは現在、経済再建と社会的安定を進める過程にあり、ミレイ氏の強硬なリーダーシップと米国との関係構築戦略は国内外で賛否を呼んでいる。
2026年3月1日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレスの連邦議会、ミレイ大統領(AP通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は3月1日、首都ブエノスアイレスの国会で開会演説を行い、政権の業績を強調するとともに野党を激しく非難し、盟友のトランプ(Donald Trump)米大統領を絶賛した。演説は90分に及び、与野党議員らの間で緊張感が漂う内容となった。

ミレイ氏はまず、昨年の国会で成立した一連の法案を挙げ、自身が掲げた2025年の選挙公約を「生産的」と強調。労働改革、犯罪責任年齢の引き下げ、南米南部共同市場(メルコスール)とEUとの貿易協定、氷河保護法案の承認などを成果として列挙した。

またミレイ氏はアルゼンチンの豊富な天然資源やエネルギー輸出の潜在力、2つの海に面する地理的優位性を強調し、「我が国は西側の戦略的要衝である」と語った。また、昨年米国から受けた財政支援の成功に触れつつ、トランプ氏との「特別な関係」を強調し、米国との連携を維持する必要性を訴えた。「我々はアメリカ大陸の世紀を創造しなければならない。アメリカを再び偉大に!」と述べ、米アルゼンチン関係の深化を目指す姿勢を示した。

演説は対立的なトーンでも進められた。ミレイ氏は野党議員を「泥棒」「殺人者」「馬鹿者ども」と激しく非難し、反対派を徹底して攻撃した。また、汚職容疑で自宅軟禁中のフェルナンデス(Cristina Fernández)元大統領にも言及し、批判を強めた。これにより国会内部の緊張は一段と高まった。

ミレイ政権は2025年の議会選挙で勝利し、上下両院で大きな議席を獲得し、政権の法案推進力を高めている。政治学者らは、この議会構成がミレイ氏の政策実行を後押ししていると分析している。

演説後、支持者からは歓迎の声が上がる一方で、野党や労働組合などからは批判的反応が強まった。労働改革に反対する声は根強く、ブエノスアイレスなどで抗議デモが続いている。ミレイ氏が今後、国内外の支持をどのように維持しつつ政策を推進していくかが焦点となる。

アルゼンチンは現在、経済再建と社会的安定を進める過程にあり、ミレイ氏の強硬なリーダーシップと米国との関係構築戦略は国内外で賛否を呼んでいる。国会を舞台にした今回の演説は、その政治的方向性を示す象徴的なものとなった。

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