マドゥロ大統領「ベネズエラの主権守る」米国との緊張高まる中
マドゥロ氏は首都カラカスの軍事基地で演説。紛争を避けるため、トランプ米大統領に対話を行うよう促した。
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ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は5日遅く、カリブ海への米軍の軍艦派遣をめぐって緊張が高まる中、ベネズエラの主権を守ると誓った。
マドゥロ氏は首都カラカスの軍事基地で演説。紛争を避けるため、トランプ(Donald Trump)米大統領に対話を行うよう促した。
米海軍は2日、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンドアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害した。
トランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルに声明を投稿。この作戦で11人を殺害したと明らかにした。
マドゥロ政権はこの攻撃に深刻な懸念を表明した。
トランプ氏はラテンアメリカの麻薬カルテルからの脅威と闘う取り組みの一環として、この海域にイージス艦など、4000人以上の部隊を派遣している。
現地メディアによると、米海軍は現在、カリブ海に2隻のイージス艦、ベネズエラ沖の公海に駆逐艦と巡洋艦を展開中。
マドゥロ氏は演説の中で、「ベネズエラは常に対話の準備ができている」と述べた。
米軍の空爆はラテンアメリカ全域で反発を招いた。
マドゥロ氏は「ベネズエラ領内への攻撃には武力闘争で応じる」と宣言した。
米司法省は先月、マドゥロ氏にかけている報奨金を5000万ドルに引き上げた。
ボンディ(Pam Bondi)司法長官はマドゥロ氏を「世界最大の麻薬密売人のひとり」と評し、麻薬カルテルと共謀した合成麻薬フェンタニルを混ぜたコカインを米国に大量に流入させていると非難した。
米国務省は2月、トレンデアラグアを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。
トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局は23年、この組織を解体したと発表したが、幹部の行方は分かっていない。