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ベネズエラ大統領「米軍の攻撃受けた場合、武装共和国を宣言する」

トランプ米政権はラテンアメリカの麻薬カルテルからの脅威と闘う取り組みの一環として、この海域にイージス艦を派遣している。
2019年1月10日/ベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は1日、同国沖に展開された米海軍から攻撃を受けた場合、「憲法に基づき、武装体制に入ると宣言する」と表明した。

トランプ米政権はラテンアメリカの麻薬カルテルからの脅威と闘う取り組みの一環として、この海域にイージス艦を派遣している。

米海軍は現在、カリブ海に2隻のイージス艦、ベネズエラ沖に駆逐艦と巡洋艦を配備している。

トランプ政権はベネズエラ沖の海上部隊を増強する予定だ。

マドゥロ氏は記者会見で、今回の展開を「過剰で、正当化できず、非道徳的、そして完全に犯罪的で血なまぐさい脅威」と表現。「この最大限の軍事的圧力に直面し、我々はベネズエラ防衛のための最大限の準備態勢を宣言したのだ」と吠えた。

またマドゥロ氏は、自身が昨年の大統領選の正当な勝者であると改めて主張した。しかし、野党側が提示した信頼できる証拠はマドゥロ氏が大敗したことを示しており、米国を含む複数の国が野党候補を大統領と認めた。

マドゥロ氏は「米国が攻撃した場合、我々は武装共和国になる」と主張した。

米国は展開中の兵士数千人がベネズエラ領内で活動することを示唆していない。

それでもマドゥロ政権は沿岸部と隣国コロンビアとの国境に部隊を配備するとともに、国民と民兵に「戦争」に備えるよう促している。

米司法省は先月、マドゥロ氏にかけている報奨金を5000万ドルに引き上げた。

ボンディ(Pam Bondi)司法長官はマドゥロ氏を「世界最大の麻薬密売人のひとり」と評し、麻薬カルテルと共謀した合成麻薬フェンタニルを混ぜたコカインを米国に大量に流入させていると非難した。

米国務省は2月、ベネズエラのトレンデアラグアを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。

トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局は23年、この組織を解体したと発表したが、幹部の行方は分かっていない。

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