米財務省、ベネズエラ前大統領の弁護費用支払いを阻止
マドゥロ夫妻は1月3日、米軍による軍事作戦で拘束後、ニューヨーク州に移送され、現在保釈なしで勾留されている。
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トランプ米政権がベネズエラ政府によるマドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領の刑事裁判における弁護費用の支払いを阻止している。マドゥロの弁護士が25日、明らかにした。弁護側はこの措置がマドゥロの憲法上の弁護人選任権を侵害していると主張している。
マドゥロの弁護を担当するバリー・ポラック(Barry Pollack)氏は先週、マンハッタンの連邦裁判所に送った書簡で、財務省の対外資産管理局(OFAC)がベネズエラ政府によるマドゥロとその妻の弁護費用支払いを一旦は承認したものの、数時間後に理由を示さずに取り消したと明らかにした。妻の弁護費用の支払いは許可されたが、マドゥロについては認められなかったという。
マドゥロ夫妻は1月3日、米軍による軍事作戦で拘束後、ニューヨーク州に移送され、現在保釈なしで勾留されている。2人はコカイン密輸や暴力行為を含む麻薬取引罪などで起訴され、無罪を主張している。起訴状はマドゥロと妻が軍関係者や麻薬組織と共謀し、数千トンに及ぶコカインを米国に密輸したと主張し、さらに反体制派の誘拐や暴行、殺害命令にも関与したとしている。両被告は有罪となれば終身刑に処される可能性がある。
ポラック氏は書簡の中で、ベネズエラの法律と慣習では大統領とファーストレディの弁護費用は政府が負担する義務があると説明し、マドゥロにはこれを支払う財力がないと指摘している。また、OFACが承認を取り消した決定は不当で、原状回復を求める意向を示した。もしOFACが再承認しない場合、裁判所に対して費用支払いの許可を求めるよう申し立てる予定だとしている。
弁護側はこの問題が米国の対外政策と深く結びついていると述べている。トランプ政権は2019年にマドゥロ政権の正統性を否定し、野党議員を正当な国家元首として承認していた。今回の拘束後もその方針を継続し、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領との関係強化を進め、石油産業への米国投資解禁や政治犯釈放、米国との外交関係再開を進めている。
米司法省や財務省はこの問題について直ちにコメントしていない。弁護側は、マドゥロが適切な弁護を受けられるよう裁判所の判断を仰ぐ方針を示している。米国の制裁政策と国際法上の手続きとの間で、ベネズエラ側の弁護権を巡る法的・外交的な攻防が続く構図となっている。
