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ベネズエラ野党指導者がローマ教皇と面会、政治移行への支援求める

マチャド氏はこの場で、ベネズエラの政治移行への支持を教皇に求めるとともに、同国で拘束されている多数の政治犯の解放に向けた仲介を要請した。
2026年1月12日/バチカン市国、教皇レオ14世(左)とベネズエラの野党指導者マチャド氏(AP通信)

ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(Pope Leo XIV)は12日、バチカン市国でベネズエラの野党指導者であり、昨年のノーベル平和賞受賞者である野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏と面会した。面会は当初、教皇の公式スケジュールに掲載されていなかったが、後にバチカン側が公報で確認した。マチャド氏はこの場で、ベネズエラの政治移行への支持を教皇に求めるとともに、同国で拘束されている多数の政治犯の解放に向けた仲介を要請した。

マチャド氏は面会後の声明で、教皇から継続的な支援を受けていることへの感謝を表明し、「わが国で起きていることについて、教皇から祝福と励ましをいただいた」と述べた。また、長きにわたり困難な状況に置かれているベネズエラ国民の強さと祈りの精神を伝え、政治犯や失踪者の解放を願う国民の声を教皇に託したことを明らかにした。

マチャド氏は国務長官とも会談。バチカンは外交的に複雑な立場にあり、これまでベネズエラでの対立の調停を試みてきたものの具体的な進展は見られなかった。

教皇はこの数日、国際社会に向けてベネズエラ情勢への深い懸念を表明していた。ベネズエラでは今年初め、米軍の特殊部隊が独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を拘束・米国に移送、麻薬密売の罪で連邦裁判所に送致したた出来事が波紋を呼んだ。教皇はバチカンでの演説において、ベネズエラの主権と人権尊重の重要性を強調し、武力による解決ではなく人道的な対話を求める姿勢を示している。

しかし、ベネズエラ国内の政治情勢は不安定である。米国は当初、マドゥロ排除後の新政権樹立を支持していたが、現在はマドゥロ派の副大統領ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)氏が暫定的に権力を掌握しており、野党側の主要指導者の多くは国内外で拘束または亡命状態にある。マチャド氏自身も長期間の潜伏生活を送った後にノーベル平和賞を受賞するためにノルウェーへ渡った。

マチャド氏はノーベル賞受賞に関連して、トランプ(Donald Trump)米大統領に同賞を捧げたいと発言していたが、ノーベル賞委員会は一度決定された賞の移譲や共有は認められないとの声明を出している。

今回のバチカン訪問を通じて、マチャド氏は国際的な支援を一層強化し、教皇という宗教的影響力を持つ人物からの後押しを得ることで、ベネズエラの民主的移行プロセスと政治犯の解放に向けた道筋を模索している。しかしその実現には米国や地域諸国、そして国際社会全体の協調が不可欠であり、困難な外交調整が続く見込みである。

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