トランプ政権がブラジル最高裁判事に制裁か、ルラ大統領が非難
ルラ氏は記者会見で、「最高裁判事への暴言など聞いたことがないし、制裁を科すなど論外だ」と語った。
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ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は3日、トランプ米政権がブラジル最高裁判所の判事に制裁を科す可能性があると示唆したことを厳しく非難した。
ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は先月末、共和党議員との会合で、ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事を制裁リストに加える可能性があると述べていた。
ジモラエス氏は今年3月、トランプ(Donald Trump)米大統領の盟友であり、クーデターを起こした罪などで起訴されたボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
ルラ氏は記者会見で、「最高裁判事への暴言など聞いたことがないし、制裁を科すなど論外だ」と語った。
またルラ氏は「判事への脅迫は容認できない」と述べ、「米国は他国の司法制度を尊重することの重要性を理解する必要がある」と強調した。
ジモラエス氏は右派ユーザーの標的になっている。
ブラジルと米国の右派はジモラエス氏がブラジルの民主主義を破壊していると主張。最高裁も検閲を含む抑圧を推進していると非難してきた。
ブラジル最高裁は3月初め、米国のオンライン動画共有プラットフォーム「ランブル」の国内利用を禁じるというジモラエス氏の決定を支持した。
ランブルは右派に人気の動画プラットフォーム。ブラジル最高裁はヘイトスピーチと虚偽の情報を広めた疑いで本国で捜査を受けているブラジル人ユーザーのアカウントをブロックするよう命じている。
最高裁は2月、米実業家マスク(Elon Musk)氏が所有するX(旧ツイッター)に対し、司法命令に従わなかったとして810万レアルの罰金刑を科した。
Xは昨年8月、ブラジル規制当局にブロックされた。
それ以来、ブラジルと米国の右派ユーザーはジモラエス氏を「悪の枢軸」と呼び、同氏の偽情報を流すなどして誹謗中傷している。