◎バイデン政権は前政権が科したイランに対する厳しい経済制裁を維持しており、イラン核合意の再開目途は全く立っていない。
2023年6月15日/キューバ、首都ハバナ、ディアスカネル大統領(左)とイランのライシ大統領(Ismael Francisco/AP通信)

イランのライシ(Ebrahim Raisi)大統領が15日、キューバの首都ハバナを訪問し、ディアスカネル(Miguel Díaz-Canel)大統領と会談。中南米歴訪を締めくくった。

ライシ氏はハバナで行われた地元企業関係者とのフォーラムにも出席し、バイオテクノロジーや鉱業分野などでキューバとの連携を深めたいと表明した。

ニカラグアとベネズエラを訪問した時とは異なり、ライシ氏は米国やその同盟国による経済制裁への批判を控え、キューバとの連携に繰り返し言及した。

フォーラム終了後、ライシ氏とディアスカネル氏はハバナ西部のバイオテクノロジー生産工場を視察。その後、革命宮殿での非公開レセプションに向かった。

また両首脳は税関、司法、エネルギー、電気通信、外交に関するいくつかの協定に署名した。

協定の詳細は明らかになっていないが、キューバはこの数週間、深刻な燃料不足に直面しており、産油国であるイランとエネルギー分野で連携を強化できたことは大きな成果と言えるかもしれない。

バイデン政権は前政権が科したイランに対する厳しい経済制裁を維持しており、イラン核合意の再開目途は全く立っていない。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官は今月初め、ライシ氏の中南米歴訪について尋ねられた際、コメントを避けた。

しかし、カービー氏はバイデン(Joe Biden)大統領がイランの不安定な行動に懸念を深めていることを認め、「それを緩和するために必要な措置を取り続ける」と強調した。

米国はイランがウクライナに侵略したロシア軍に自爆ドローンを供与したり、ロシアが首都モスクワ東部にイランのドローン製造工場建設に向けた準備を進めていることを非難している。

中央情報局(CIA)はこのドローン工場が来年初めに操業を開始する可能性があるとみている。

イラン政府は西側の非難を一蹴し、ロシアが使用しているイラン製ドローンは開戦前に提供したものと主張している。

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