先住民抗議者たちがブラジル・サンタレン港を占拠、抗議デモ激化
カーギルのサンタレン港ターミナルはブラジル中西部から輸出される大豆やトウモロコシなどの穀物の主要積出港であり、2025年には550万トン以上の穀物をこの港から出荷したとされる。
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ブラジル北部パラ州サンタレンにある米国の大手穀物商社「カーギル(Cargill)の港湾ターミナルが先住民の抗議者らによって占拠され、施設の操業が完全に停止した。同社が21日、明らかにした。
それによると、抗議者たちは19日夜に施設内に入り込み、従業員を強制的に退去させたという。地元当局とは「秩序ある安全な形での退去」について連絡を取っていると表明している。
カーギルのサンタレン港ターミナルはブラジル中西部から輸出される大豆やトウモロコシなどの穀物の主要積出港であり、2025年には550万トン以上の穀物をこの港から出荷したとされる。この輸出量は同港湾で扱われる総穀物量の70%超を占める重要な物流拠点である。
今回の占拠はアマゾン地域を流れる主要河川の一つであるタパジョス川の浚渫(しゅんせつ)計画を巡る対立の激化を背景としている。抗議者たちは中央政府が河川の浚渫を拡大する大統領令を検討しているとして、これが環境破壊や水質悪化、先住民な生活に深刻な影響を及ぼすと反発している。浚渫は乾季に水位が下がった際、船舶の通航を確保する目的で計画されているが、先住民側は「河川は輸出用の通路ではなく、何千もの家族にとって生活や記憶、アイデンティティの源だ」と訴えている。
先住民グループは1月下旬から港へのトラックの進入を阻止する形で抗議活動を展開していたが、これまでは船舶やバージでの穀物輸送が中心だったため、操業への影響は限定的だった。今回の占拠によって、港の出入りが完全に止まり、カーギル側は資産への損害や破壊行為の証拠が「強く存在する」としている。
占拠に対して政府当局はコメントを出していないが、過去の司法判断では抗議者の排除を命じる裁判所の決定と、それをめぐる法的な争いが繰り返されていた。先住民の抗議活動に対しては、検察庁が先住民の参画と調停なしに強制排除を進めるべきではないと反発し、司法判断の一部が覆された経緯もある。
今回の占拠は経済的利益と環境保護、先住民権利の対立が激しく交錯する一例として注目されている。先住民グループは単に浚渫計画の撤回を求めるだけでなく、伝統的領域の保全とアマゾンの生態系を守ることを訴えており、国際的な環境保護団体や人権団体もこの問題を注視している。操業停止が長引けば、ブラジルの穀物輸出にも影響が及ぶ可能性がある。
