IMF、アルゼンチンに20億ドル融資へ、実務者レベルで合意

アルゼンチンは近いうちに20億ドルの融資を受ける予定だ。
国際通貨基金のエンブレム(Getty Images)

国際通貨基金(IMF)は24日、アルゼンチンとの拡大信用供給ファシリティ(EFF)の最初のレビューに関し、実務者レベルで合意に達したと発表した。

アルゼンチンは近いうちに20億ドルの融資を受ける予定だ。

IMF理事会は4月、アルゼンチンに対する200億ドルの新規融資を承認。このうち120億ドルを融資した。

IMFは24日の声明で、「この審査に関する執行理事会の会議は今月後半に開催される見込みである」と述べた。

またIMFは「アルゼンチンの改革プログラムはより厳しい外部環境にもかかわらず、堅調なスタートを切った」と指摘。インフレ率と貧困率が低下し、成長率が上昇していると述べた。

さらに、「アルゼンチンは予想より早く国際資本市場に復帰できた」と称賛した。

IMFは「アルゼンチン当局と財政の基盤を強化し、外貨準備を積み増し、インフレ率の低下を持続させるための合意が成立した」と述べた。

アルゼンチン中銀は4月、外国為替市場の規制を緩和し、ペソが1ドルあたり1000~1400ペソの間で自由に変動できるようにした。それ以来、ペソは正常化の兆しを見せ、アナリストたちを驚かせている。

ミレイ(Javier Milei)大統領は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、消費者物価指数(CPI)率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

25年6月のインフレ率は前年同月比1.6%増。5月の1.5%を上回ったものの、過去5年間で最低水準を維持している。

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