IMF、アルゼンチンの外貨準備積み立て目標引き下げ

2026年までの外貨準備の積み立て目標が引き下げられ、27年の目標は維持されたため、積み立て曲線がより急勾配になった。
アルゼンチンのミレイ大統領(Getty Images)

国際通貨基金(IMF)は1日、アルゼンチンへの融資条件のひとつである外貨準備の積み立て目標の基準を引き下げ、今年10月の議会選後に予定されていた審査を削除した。

2026年までの外貨準備の積み立て目標が引き下げられ、27年の目標は維持されたため、積み立て曲線がより急勾配になった。

IMFは1日に公表したレポートの中で、「25年12月末のNIR(純外貨準備高)積み立て目標は主に初期の不足分を反映し、合意された措置を通じて徐々に是正されていることを反映して引き下げられた」と述べている。

国際通貨基金(IMF)の理事会は前日、アルゼンチンとの拡大信用供給ファシリティ(EFF)の最初の審査を完了し、20億ドルの融資を承認した。

理事会は4月、アルゼンチンに対する200億ドルの新規融資を承認。このうち120億ドルを融資した。

今回の承認により、残り80億ドルのうち20億ドルが融資されることが決まった。

ミレイ(Javier Milei)大統領は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、消費者物価指数(CPI)率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

25年6月のインフレ率は前年同月比1.6%増。5月の1.5%を上回ったものの、過去5年間で最低水準を維持している。

25年第1四半期(1~3月)の経済成長率(季節調整済み)は前年同期比5.8%増。2四半期連続のプラス成長となった。

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