IMF理事会、アルゼンチンへの20億ドル融資承認
IMFは先週、EFFの最初の審査について、実務者レベルで合意に達したと報告していた。
、マスク氏(左)とアルゼンチンのミレイ大統領(ロイター通信).jpg)
国際通貨基金(IMF)の理事会は7月31日、アルゼンチンとの拡大信用供給ファシリティ(EFF)の最初の審査を完了し、20億ドルの融資を承認した。
理事会は声明で、「ミレイ政権の強力な政策実施により、より柔軟な為替レート制度への円滑な移行が進められ、インフレ率の低下と経済成長の継続が実現した」と述べた。
また理事会はアルゼンチンが目標に掲げていた外貨準備の積み増しを6月中旬までに達成できなかったことを認めた。
IMFは先週、EFFの最初の審査について、実務者レベルで合意に達したと報告していた。
理事会は4月、アルゼンチンに対する200億ドルの新規融資を承認。このうち120億ドルを融資した。
今回の承認により、残り80億ドルのうち20億ドルが融資されることになる。
アルゼンチン中銀は4月、外国為替市場の規制を緩和し、ペソが1ドルあたり1000~1400ペソの間で自由に変動できるようにした。それ以来、ペソは正常化の兆しを見せ、アナリストたちを驚かせている。
ミレイ(Javier Milei)大統領は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、消費者物価指数(CPI)率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。
25年6月のインフレ率は前年同月比1.6%増。5月の1.5%を上回ったものの、過去5年間で最低水準を維持している。
25年第1四半期(1~3月)の経済成長率(季節調整済み)は前年同期比5.8%増。2四半期連続のプラス成長となった。