ガイアナ政府、ベネズエラから密輸される金の取り締まり強化
米当局はベネズエラから流入した金がガイアナで採掘された金と混ざり、地元産として偽装され、米国、カナダ、中東など世界各地の市場で販売されていると疑っている。
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南米ガイアナが米国政府の要請を受けて、隣国ベネズエラから国境を越えて密輸される金を取り締まることを約束した。
アリ(Irfaan Ali)大統領は27日夜の声明で、「政府は現在、隣国ベネズエラから密輸される金を積極的に取り締まっている」と述べた。
またアリ氏は「米政府の要請に基づき、ベネズエラ国境の警備を強化し、違法業者とそれに協力する企業・個人を摘発する」と述べた。
米当局はベネズエラから流入した金がガイアナで採掘された金と混ざり、地元産として偽装され、米国、カナダ、中東など世界各地の市場で販売されていると疑っている。
カナダ造幣局は2021年、ガイアナの大手輸出会社からの金購入を一時停止した。
当局は一部の出荷物にベネズエラの金と混ざっている疑いがあると指摘。同社はこれを否定している。
一方、ガイアナの在米国大使館は最近、ベネズエラの金を海外に密輸した疑いのある鉱山労働者のビザを一時停止した。
金はガイアナにとって、石油に次ぐ第2の主要輸出品であり、昨年は約10億ドルの収入をもたらした。
政府の統計によると、昨年は43万4000オンスの金を生産。23年は43万2000オンスであった。
ガイアナとベネズエラは係争地エセキボ地域をめぐり対立している。
エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難してきた。
エスキボは石油だけでなく、金、ダイヤモンド、木材、その他天然資源にも恵まれている。