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ガイアナ総選挙、与党PPPの勝利確実、野党が「再集計」要請

投票率は52%で、2020年選挙の70%を下回った。
2025年9月1日/ガイアナ、首都ジョージタウンの投票所(ロイター通信)

南米ガイアナで9月1日に行われた議会選挙(一院制、定数65)について、選挙管理委員会は5日、暫定結果を公表した。

それによると、与党・人民進歩党(PPP)の獲得議席は35議席。2位は3ヶ月前に発足した新興政党WIN。最大野党APNUは支持を伸ばせなかった。

これにより、現職のアリ(Irfaan Ali)大統領の再選は確実となった。

投票率は52%で、2020年選挙の70%を下回った。

ガイアナの大統領は直接選挙ではなく、議会選挙と同時に行われる「ダブル・シミュルタニアス・ボート方式(同時投票方式)」により選ばれる。

各政党は議会選挙の候補リスト提出時に、大統領候補を指名。国民は政党リストに投票することで、その政党の大統領候補にも投票する形になる。

得票数で最多となった政党の候補者がそのまま大統領に就任、任期は議会と同じ5年である。

選管は5日の声明で、WINとAPNUが要求した再集計作業により公式結果の発表が遅れているが、6日までに確定する見込みであると述べた。

地元メディアによると、アリ氏の事務所は7日に予定されている宣誓式への招待状を送付済みである。

ガイアナはかつて、金、ダイヤモンド、ボーキサイトなどの天然資源に恵まれながらも、南米で最も貧しい国のひとつであった。

しかし、米石油大手エクソンモービル率いるコンソーシアムが2015年5月に同国の大西洋岸沖で石油鉱床を発見すると、事態は一変した。

石油生産は2019年12月に開始され、その生産量は27年までに日量130万バレルに達すると予想されている。

アリ氏が就任した2020年以降、経済成長率は世界でも突出した高い水準を記録。22年には63.3%という驚異的な成長を遂げ、23年は33.8%、24年は43.6%に達した。

野党は政府のインフラ政策が高騰する生活費対策や生活の質向上に十分でないと指摘している。

PPPは20年の選挙で65議席中33議席を確保。今回の選挙でも過半数を維持すると予想されていた。

ブラジル、ベネズエラ、スリナムと国境を接するガイアナではインドから渡来した契約労働者の子孫はPPPを支持、アフリカから連れてこられた奴隷の子孫は野党APNU+AFCを支持。人口約80万人の国民は民族に基づきほぼ均等に分裂している。

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